食いだおれ白書

世界を食いだおれる

2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

雨風本舗〜熱海のラーメンは熱く

伊豆へ向かう踊り子号の車窓から熱海のブルーオーシャンが見えたとき、窓際の席にいた映画ライターの方が思い出を話してくれた。「駅の近くに美味いラーメン屋があるんだよ。2017年に『火花』の撮影を取材したとき帰りにスタッフたちと食べたんだ。菅田将暉…

旬の味ごろさや〜伊豆下田

嘉永7年(1854年)、マシュー・ペリー率いる黒船が来航した下田港の近くに『旬の味ごろさや』はある。名前は先祖の「五郎三郎」の名前からとって「ごろさや」。ご主人が漁師で毎朝、下田港で水揚げされる旬の魚介を仕入れている。この店は一度、目の前を通っ…

uto〜森下の真夏の夜の夢

東京都にある「森下」は江東区の深川にある1万人ちょっとの小さな町。特に名所もなく都民でも存在を知らない人が多い。俳優・寺島進の生まれ故郷。ジャージ姿でタバコを吸っているところを見かけ、前を通ると丁寧にお辞儀してくれた。めちゃくちゃカッコよく…

北海道グルメどうでしょう〜札幌・北広島・新千歳空港

エスコンフィールドHOKKAIDO 札幌ではなく北広島という小さな町に日本一の野球場がある。人口5万6000人。生まれ故郷、奈良県桜井市の田舎より少ない。石狩平野の中央に位置し、明治の開拓で広島からの入植者が集落をつくったことから北広島になった。2024年…

恵比寿ソルティーモード〜日本一のダルバート

コロナ禍により飲食店は大きく変わった。それまでは昔の名前や場所が良ければ味が悪くてもサービスが酷くても来てくれた。コロナというリトマス試験紙によって左うちわの店は潰れ、本物だけが残るようになった。コロナとは間違い探しであり、答え合わせの時…

ナングロガル〜新大久保のネパール料理

ネパールに二度行き、エヴェレストのベースキャンプで1ヶ月間生活していた関係で、おすすめのネパール料理を訊かれることが多い。必ずお薦めしているのが「ナングロガル」。東京の新宿区・新大久保にある。アパートから徒歩10分。日本人には少しクセが強いが…

山形・山寺立石寺グルメ

蔵王の樹氷 名山に囲まれた山形は野方、里方に対して「山方」と呼ばれ、そこから山形になった。山形に来るのは2022年2月。吹雪く蔵王をホワイトアウトのなか登頂して以来。赤湯温泉で食べた龍上海のラーメン、大和屋旅館で飲んだ日本酒・十四代の衝撃は今も…

新宿すしスタンド EDOMAE SS

今では日本人が好きな食べ物1位を独走する「鮨」。しかし江戸時代までは屋台のファストフードであり、握り寿司ではなく、箱寿司(押し寿司)だった。好きなネタNo. 1のマグロも江戸時代は下魚で嫌われていた。冷蔵庫がないから1日か2日熟成させ、漬けにして…

華心苑〜新宿最強の街中華

新宿駅に直結した新宿壱番街(新宿センタービル)に最強の街中華がある。TBSの番組『町中華で飲ろうぜ』でもテレビ東京のドラマ『ザ・タクシー飯店』でも紹介されていない知る人ぞ知る名店。華心苑。広東料理と四川料理を中心とした本場の味が楽しめるお店。…

新潟長岡グルメ:閃光の花火メシ

新潟の長岡といえば「花火」と「米百俵」。線香花火のようにやさしく、打上花火のように力強い飲食店がある。 喫茶店ミチル 越乃雪本舗大和屋 フレンド CoCoLo長岡店 らーめんや一生 喫茶店ミチル "> 腹が減っては戦はできぬ。8時になると、駅前の喫茶店『ミ…

カレーの食卓

2年連続で年末年始は実家に帰省した。母親がカレーを作ってくれた。 ウチは昔からバーモントカレー の中辛。にんじん、たまねぎ、鶏肉を炒め、水と一緒に市販のマギーブイヨンとカレーのルーを入れる。たっぷりの具材を煮込んだら最後にジャガイモを加える。…

味の風にしむら

『にしむら』を知ったのは2012年、ミシュランガイド奈良に一つ星レストランとして紹介されたときだった。「奈良にうまいもん無し」と揶揄されるが、まさか地元の桜井にそんなお店があるとは露知らず。親に訊いても知らない。場所を見ると桜井市民会館の近く…

深夜食堂

令和は変な気候が続く。6月になって早々に梅雨入りしたのに肌寒い。5月の半袖が嘘のように、長袖を押し入れから出勤させてしまう。 そんな寒い夜、塩サバと豚汁が食べたくなる。 アパートを出て2、3分も歩けば西新宿のオフィス街。ネオンの灯りに誘われ今か…

One More Cup Of 珈琲

底冷えの如月も残り3日となった令和四年2月26日(土)。珈琲に呼ばれて浅草へ向かった。友人がBOOK STOREの2階を借りて珈琲屋を開店。 "こたつのように温かい場" を創りたいことから「KOTABA COFFEE」と命名した。一ヶ月に一度だけの限定オープン。日は決ま…

レモンパイ

映画において観客を真っ先に突き動かすのが食べ物。2004年公開、クリント・イーストウッドの最高傑作『ミリオンダラー・ベイビー』もそのひとつ。 女性ボクサーのヒラリー・スワンクと老トレーナーのクリント・イーストウッド。母親に見捨てられた娘と、娘に…

おでんは片想いで

好きな人を誘っておでんを食べにいった。冬が本気を出してきた12月16日、向かったのは上野の「おでん小林」。19時前にJR御徒町駅北口で待ち合わせる。 千葉の実家に住む女性と新宿で独り暮らしのボク。山手線と常磐線が通る上野は落ち合いやすい。先月、はじ…

道頓堀〜千日前の啓蟄

啓蟄に大阪に来た。「けいちつ」と読む。二十四節気のひとつで3月5日前後のこと。「啓蟄」は「冬籠りの虫が春を感じて活動を始める頃」の意味。令和六年の大阪は寒かった。 DAY1:3月5日(火) 喫茶アドリア 通天閣とスタジオK あづま食堂 新世界東映 黒門市…

新世界〜通天閣の夜光

新世界は夜の街。欲望の象徴に溢れかえり、本能の解放が渦巻いている。前回2泊した6月は運悪く通天閣が工事中でライトアップを見られなかった。そのリベンジ。11月30日に新世界を訪れた。 喫茶ブラザー 通天閣(真昼) 国際地下劇場 新世界東映 東横INN 今里…

道頓堀〜晩秋の色どり

フリーランスの物書きになり、11月7日にはデビュー作も出版した。いよいよ自分の作品づくりに向けて爆進していく。1970年台の大阪ミナミを描く小説に欠かせないのが御堂筋の銀杏並木。緑から黄へと色づいていく。 11月10日(金) 松屋(うどん) いなの路 11…

通り雨の愛染まつり

愛染まつり。天神祭、住吉祭に並ぶ大阪三大夏祭り。だんじり祭りなど男のイメージが強い大阪で、愛染まつりの主役は愛染娘。聖徳太子の時代から1400年以上続き、勝鬘院(しょうまんいん)金堂の御本尊・愛染明王にあやかって「愛染さん」で親しまれる。 愛染…

新世界の朝日〜夏の通天閣

コロナ前より人口密度が濃くなった新宿の夜。あらゆる規制から解放された飲み帰りの若者やサラリーマン、円安に背中を押された外国人観光客で溢れかえっていた。時折、涼しい夏風が吹くが、すぐに人の壁に遮られる。きっと道頓堀や新世界も凄いことになって…

道頓堀〜初春の色彩

初日 3月15日(水) 早朝飯:白寿 モーニング:喫茶オランダ 天王寺・学園坂 トーホーシネマズなんば 高津宮 昼食:茶珈 理髪館 夕食:麓鳴館 夜食:純喫茶アメリカン 2日目 3月16日(木) 朝食:作の作 昼食:アラビア珈琲 会津屋 3日目 3月17日(金) 朝食…

道頓堀〜真冬の旋律

Day1:12月23日 初食:花丸軒 朝食:丸福珈琲店 天王寺七坂 昼の新世界&通天閣 天王寺動物園 懐食:木村屋 昼飯:𠮷野家(上本町) 夕食:夫婦善哉 相合マッサージ Day2:12月24日 朝飯:黒門市場 ウィンズ道頓堀 スイーツ:英國屋 DAY3:1月2日 生國魂神社 ア…

道頓堀〜真夏の香り〜

中学・高校がすぐ隣の駅なのに道頓堀には一度も来たことがなかった。 某プロ野球チームの影響で「怖い」「汚い」の印象がすっかり定着。同じ難波にありながら、プロレスを観に何十回も通った大阪府立体育会館の聖域とは反対。まさにアンタッチャブル。難波に…