新宿駅に直結した新宿壱番街(新宿センタービル)に最強の街中華がある。TBSの番組『町中華で飲ろうぜ』でもテレビ東京のドラマ『ザ・タクシー飯店』でも紹介されていない知る人ぞ知る名店。華心苑。
広東料理と四川料理を中心とした本場の味が楽しめるお店。オフィスビルにある中華料理屋。平日は常連のビジネスマンで溢れ、休日は一見さんで賑わう。料理人も給士さんも全員が中国人。
五目そば880円
旨すぎてビックリ。麺類は高級すぎないほうがいい。「五目」という名前がついているが、実際の五目そばの具材は5品以上あり、テキトーさ、いい加減さが魅力。華心苑は具の一つひとつがデカい。それが麺と喧嘩せず仲良し。出汁という産湯につかっているような料理。ラーメン屋ではない店でこそ五目そば。円卓を囲みビールと紹興酒で埋め尽くす。乾杯と爆笑の大音量は労働者の音楽。色とりどりの具材の五目そば、スーラの点描画。
きくらげたまご980円
昼どきは行列なので14時以降まで空腹とデュエル。たまご炒めはトゥルトゥルの筋斗雲も好きだが、しっかり弾力を出しつつソースの旨味をM&Aする火入れが難しい。そのK点を遥かに越える大ジャンプ(長野五輪の原田雅彦くらい)の美味さ。
ユーリンチー定食980円
カリカリ、パリパリ、サクサク。いつまでも噛んでいたい麻薬的な食感。残った油淋鶏のタレはご飯にかけるSDGs。豚バラ肉の柚子胡椒パスタを作る予定が、雨なので中止。雨降って地固まるとはこのこと。
上海焼きそば930円
焼きそば=日清UFOで育ったソースまみれの細胞に新しい風を吹かせてくれる。パスタ作りを追求すると、麺は具材を少なくせよ!のベクトルに向かってしまうが、育ち盛りに具沢山は正義。これからもグルメ家ではなく食いしん坊。
中華丼900円
小雨の新宿。中国の料理人が「中華丼」と名乗る滑稽。中華が中華を演じる。しかし味はどこまでも本物。ご飯を完全に覆い隠すのではなく、勾玉を合わせた陰陽太極図。陰(飯)も陽(具)も強すぎず互いを高め合う。中華の真髄がここにある。熱々の丼をスパートで食い切るため、話し相手はいらない。孤高のグルメこそ中華一番。
大根餅650円
広東料理。初めて知った。米粉、もち粉、大根を水で練って蒸した点心。平凡なのに、なんたる美味しさ、やさしさ。中華=火力全開のボンバーマンというイメージを覆してくれる。中国では旧正月料理にも出されるとか。4000年の歴史。素朴讃歌。
華心苑の情報
- 問い合わせ: 050-5890-7441(予約OK)
- 住所:東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル B1F
- 最寄り駅:新宿駅、都庁前、西新宿駅
- 営業日:月・火・水・木・金・土
- 営業時間:11:00 - 15:00、17:00 - 23:00
- 定休日:日曜日
- 食べログ:中華料理 華心苑 新宿センタービル店
新宿おすすめ飲食店