甲子園で高校野球の決勝を観たあと、8月25日の夜の深夜バスで大阪難波から深夜バスで別府に向かった。2025年3月に温泉の本を出すためだ。竹瓦温泉で旅の汗を流したあと、朝ごはんを食べる場所を探した。旅行の楽しみのひとつが知らない町の朝だ。
ソルパセオ銀座
別府の銀座商店街(なんでも地方は銀座をつけたがる)では昭和レトロの店が多い。入りたいが朝はやっていない。夜になるとネオンと共に活気が目を覚ます。
別府駅前の「シネマ・ブルーバード」では松田龍平の『わたくしどもは』が上映中。新宿で見逃したので観たかったが、夜19時の上映しかない。ひとり旅の知らない町で、知ってる映画に出逢ったときの安心感。旅情。
喫茶Pirica
八月の別府湾が目の前に広がる喫茶Pirica。朝10時半から営業している喫茶店。
織田哲郎が聴こえてきそうな海光明媚。こんなロケーションで頂く朝ごはんは最高に決まっている。
店内は木の温もりにあふれている。地元の特産品を販売していた。
ひとっ風呂あびたあとのモーニング。地元の農家さんのお米、卵焼きとゴーヤチャンプルー。オクラの味噌汁、アイス珈琲。おにぎりの海苔を巻かない美しさ。840円おにぎりセットにアイス珈琲340円。美味しさが翼を広げる。
ランズ珈琲
朝ごはんを食べて、共同湯でもう一度、風呂に浸かった。別府ラーメンを食べて明晩温泉に向かおうとしたとき、とんでもない看板が出現した。「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府、甘味はランズ」と名文句。素通りなんてできない。
別府温泉の路地裏、昭和56年創業のアメリカンダイナー。自分より年上だ。
マリリン・モンローと理由なき反抗のジェームズ・ディーン、パルプ・フィクション。
BGMはエルヴィスの『愛さずにいられない』
ナポリタンが気になったが、湯上がりは別府の蘭王卵のプリン。アイスは甘さ控えめ、プリンは甘さたっぷり。濃厚民族にうれしい緩急。アイスコーヒーも欠かせない。
自分はどこから来たのか?何者なのか?どこへ向かうのか?答えは風だけが知っている。