食いだおれ白書

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新宿・思い出横丁の四天王!おすすめ名店4選〜酒と煙の交差点、昭和は現役だ

岐阜屋・新宿・思い出横丁

新宿駅西口のディープなスポット「思い出横丁」。戦後の闇市の名残を色濃く残す630坪ほどの土地に、約60の飲食店が昭和の香りを漂わせながら、ひしめき合っている。新宿に12年住んで、幾度となく通った。そんな中から「思い出横丁の四天王」として激推しする名店4軒を紹介する。

新宿・思い出横丁の物語

新宿 思い出横丁 うなぎカブト

新宿・思い出横丁の始まりは、終戦直後の焼け野原に現れた露店市。衣類や食べ物を扱う屋台が並び、その後「ラッキーストリート」と呼ばれる闇市に発展する。

モツなど統制外の食材を扱う店が増え、もつ焼き屋が名物になった。店と店を戸板一枚で隔てる構造は、今でもそのまま残る。

昭和30年代には、ホステスが接客する「やきとりキャバレー」も存在した。再開発により数は減ったが、現在も昭和の香りと人情が息づいている。

「思い出横丁」なんて、名前だけは妙にセンチメンタルだが、昔は「しょんべん横丁」と呼ばれていた。朝っぱらから酒が出る。昼間っから煙が目にしみる。深夜の皿の上には、煮えきらない夢が浮かんでいる。

カウンターに座る男たちは、出世も諦め、愛も失って、でも飲むことだけはやめなかったような連中が多い。

狭い路地にひしめく小さな店たちは、酔いどれた生き物の内臓みたいに脈打っている。
そこに一歩踏み入れると、何かがこっちをじっと見てくる。人生に疲れたらここに来い。うまい肴とうまい酒、そしてどうしようもない人間たちが、帰りを待っている。

岐阜屋(ぎふや)─新宿の懐、中華オアシス

岐阜屋・新宿・思い出横丁

岐阜屋は、1947年に戦後の闇市から始まった老舗中華食堂。岐阜出身の店主が屋台からスタートし、現在もその空気感を残したまま思い出横丁の一角に暖簾を掲げている。

新宿・思い出横丁『岐阜屋』地球の重力と、胃袋直行

朝9時から営業しており、サラリーマンや観光客、常連たちが肩を寄せ合ってそれぞれの「岐阜屋時間」を過ごしている。

岐阜屋・新宿・思い出横丁

店の名物はラーメン、チャーハン、餃子といった定番中華。

おすすめは、ふわふわの卵が印象的な「木耳玉子炒め」と、湯気がもうもうと立ちのぼる「もやしそば」。

新宿・思い出横丁『岐阜屋』地球の重力と、胃袋直行

どれもシンプルで優しい味わいで、胃袋だけでなく心まで満たしてくれる。新宿で、時間がゆっくりと流れる数少ない場所。岐阜屋は、新宿の夜を見守り続けている。

営業時間:

日〜木 9:00 ~ 翌 1:00

金・土 9:00 ~ 翌 2:00

かめや─名物蕎麦と新宿の時間をすする

新宿 思い出横丁「かめや」

1971年創業の「かめや」は、思い出横丁の交差点にある立ち食い蕎麦の老舗。上野の割烹「亀屋一睡亭」を母体に持ち、屋台文化の名残を今に伝える。カウンター8席、24時間営業のスタイルで、昭和から続く“変わらぬ日常の味”を守っている。

新宿 思い出横丁「かめや」

店内は常に混み合いながらも回転が早く、早朝から深夜まで、サラリーマンや常連、映画帰りの客がひっきりなしに訪れる。かめやは、立ち食いであっても記憶に残る一杯を出してくれる、思い出横丁の心臓部のような存在である。

新宿 思い出横丁「かめや」

名物は、揚げたての天ぷらと半熟玉子がのった「元祖 天玉そば」。甘じょっぱい濃口のつゆが、素朴で力強い東京の味を感じさせる。

新宿 思い出横丁「かめや」〜濃い蕎麦つゆに沁みる、立ち食いの哲学

暑い季節には「冷やし天玉そば」や「冷やしきつねそば」もおすすめ。

営業時間:24時間営業(日曜定休)

うなぎカブト─鰻のすべてを喰らう、思い出横丁の火柱

新宿 思い出横丁 うなぎカブト

「うなぎカブト」は、昭和23年創業の鰻専門店で、思い出横丁の十字路にひっそり佇む。わずか11席のカウンターには、戦後から続く炭火の煙と静けさが満ちている。

新宿 思い出横丁 うなぎカブト

店内には言葉少なな常連たちが集い、それぞれの時間を噛みしめるように杯を傾けている。

新宿 思い出横丁 うなぎカブト

扱うのは、鰻の頭から尾まで、すべての部位。串焼きの一本一本が、命と向き合う料理そのもの。備長炭で焼き上げる串は、職人技の結晶。

うなぎカブト

「えり焼き」「ひれ焼き」「きも焼き」「蒲焼き」「れば焼き」と続く「一通り」は、部位ごとに味も香りも食感もまったく異なり、鰻の奥深さを存分に味わえる。

新宿 思い出横丁 うなぎカブト

おすすめは、脂の乗った「蒲焼き」と、命の余韻を感じる「れば焼き」。どちらも強烈な個性を放ちながら、どこか静かな余白を残してくる。

新宿という街の喧噪から一歩外れた、静かで熱い一皿がここにはある。

営業時間:13:00~20:00(日曜、祝日定休)

きくや─昭和の面影を焼く、モツ焼きと酎ハイの酒場

もつ焼「きくや」新宿 思い出横丁

「きくや」は1956年創業、思い出横丁の端に店を構える老舗のもつ焼き屋。継ぎ足しのタレと特製塩で仕上げる串焼きに、独自ブレンドの酎ハイを合わせるスタイルは創業当初から変わらない。テラスのような屋外席で、昭和から続く空気を味わえる。

もつ焼「きくや」新宿 思い出横丁

かつて松田優作も通ったこの店は、いまや観光客にも知られる存在だが、相席のテーブルと雑多な雰囲気は健在。

もつ焼「きくや」新宿 思い出横丁

名物の「元祖酎ハイボール」はジュースのように軽く、何杯でもいける飲みやすさ。
きくやは、時代が変わっても“変わらないうまさ”で、訪れる者の心をほどいてくれる。

串焼きは「れば」「かしら」「てっぽう」「がつ」などバリエーション豊かで、味も食感も申し分ない。

もつ焼「きくや」新宿 思い出横丁

特におすすめは、思い出横丁を象徴し、甘くてコクのある「もつ煮込み」と、懐かしさ漂う「くじら刺身」。どちらも、記憶に残る一皿だ。

営業時間:

月~金:15:00~23:30
土日祝:15:00~23:00

新宿・思い出横丁は「四天王」から攻めろ!

新宿・思い出横丁『岐阜屋』地球の重力と、胃袋直行
虚無が大きく口を開いている新宿。その喧騒のすぐ脇に広がる異空間、思い出横丁。今回紹介した四天王は、それぞれジャンルもスタイルも異なるが、共通しているのは「本物の味と空気」があること。はじめて訪れる者も、何度も通っている者も、まずはこの四軒から横丁デビューするのがいい。ディープで濃密な時間が、きっと待っている。

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