2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧
奈良から新宿に上京した2013年、今はなき中華料理屋が夕方から300円弁当を売り出していた。昼に売れ残ったものを弁当箱に詰め込んだもの。本格中華の味を、ボリュームたっぷりに味わえる。ライターの仕事を探して就活をするものの、どこも採用してくれず、7…
新宿駅西口のディープなスポット「思い出横丁」。戦後の闇市の名残を色濃く残す630坪ほどの土地に、約60の飲食店が昭和の香りを漂わせながら、ひしめき合っている。新宿に12年住んで、幾度となく通った。そんな中から「思い出横丁の四天王」として激推しする…
新宿という街は、油断するとすぐに新しい景色に塗り替えられる。12年間、北新宿に住んでイケ麺を食べ歩いた。 新宿区だけで100軒は超え、残念ながら閉店してしまった店も数知れず。衣替えのように店舗の移り変わりが激しい。せっかくの名店も次の桜を待たず…
「奈良に美味いものなし」は、誰が言い出したのか。嘘かまことか確かめるには、ぜひ桜井市を訪ねてみてほしい。 古くから三輪そうめんの産地として知られるこの町は、自然の恵みと人の手仕事が息づく食の宝庫。 街を見守るようにそびえる三輪山は、古代から…
故郷に美味しいイタリアンがあると、つい自慢したくなる。それが人情というもの。 奈良県桜井市にある「Buono(ボーノ)桜井店」は、そんな誇らしさを感じさせてくれる。 温もりのある木の梁、柔らかい光を放つランプ、吹き抜ける桜井の空気。すべてが「おか…
トンカツには人を救う力がある。仕事で落ち込んだとき、イライラしたとき、いいことがあったとき、足が向かうのは新宿壱番街にある「とんかつまるや」。都内に23店舗を展開し、本店は新橋。2005年創業のローコスト・ハイクオリティなトンカツチェーン。鮮度…
新宿よりも飲食店が所狭しと並び、「ラーメン・エルドラド」と呼ばれる荻窪。その中でも最も有名なラーメン屋が「春木屋」である。 創業は昭和24年(1949年)。戦後、和風出汁を効かせたスープや、スープによく絡む縮れ麺が登場し、ネギ、海苔、ナルトといっ…
新宿中央公園のまわりをジョギングしていた頃、いつも目にやさしい光景があった。 まだ熱の残る夜の風が、頬を撫でるように吹き抜けていく。多くのビジネスマンが仕事を終えた夜の西新宿は、コーヒーゼリーのような漆黒に沈んでいく。 闇に浮かび上がる温か…
「日本一の焼きそばは歌舞伎町にある。」 何度も声に出してきたが、信じない人は少ない。しかし、それが真実である。 JR新宿駅東口から徒歩3分、TOHOシネマズの目の前にその店はある。ネオンの海に浮かぶように、赤提灯が灯り、24時間営業という懐の深さも、…
新宿の西端、百人町。喧騒がすっと引くあたり。横尾忠則が描くY字路のような小滝橋交差点に、地元民から愛される街中華がある。赤い看板、赤い提灯。夜の空気に、ふっと浮かんで見える「江南ラーメン」 営業は18時から深夜3時。日付が変わっても営業中の店は…
新宿の東口、絶えず姿を変える街並みの中で、100年以上も続く老舗の天ぷら屋がある。明治19年(1886年)の創業、130年以上にわたり暖簾を守り続ける「天ぷら 船橋屋」である。東口のルミネの目の前にあり、江戸前天ぷらの伝統と味を今に伝える。 2013年11月…
「ムルギー」は戦後間もない昭和26年(1951年)創業の老舗カレー店。「ムルギー」はヒンディー語で「鶏肉」を意味する。その名の通り、チキンカレーをベースにしている。 渋谷道玄坂の百軒店商店街の坂を登り切ったところにあり、ハチ公前から徒歩7分とアク…
「歌舞伎町の帝王」と呼ばれるROLANDにも光を浴びる前の長い夜があった。TBSの番組に出たとき、かつての自分を支えてくれたお店を人生最高レストランして紹介した。 その名は「パンコントマテ 大久保店」。ROLANDが住んでいた大久保のマンションのそばにあっ…
サントリーラウンジ「イーグル」は、東京・新宿の喧騒の奥に、時間が止まったように存在している。創業は1966年。昭和の熱気がまだ街に残っていた時代だ。新宿西口の地下、重たい階段を下りていくと、その先に「船」がある。 格式と居心地の良さを兼ね備えた…
東京を離れる前に、埼玉に暮らす登山の先輩が、群馬・水上町の「レストラン諏訪峡へ行こう」と誘ってくれたのは、梅雨明けを思わせるような夏の日だった。 初めて先輩と山を登ったのは、2024年の11月。それから66の山、38の雪山を共にした。先輩は僕を「戦友…
タカセ洋菓子は、大正9年(1920年)に創業した老舗の洋菓子店。創業以来、変わらぬ製法と厳選された素材を用いて、手作りの味を守り続けている。 池袋本店は、JR池袋駅東口から徒歩すぐの場所に位置し、街の喧騒を抱きしめる。 ビル内には1階のパン・洋菓子…
タカマル鮮魚店は、「株式会社鷹丸」が運営する海鮮居酒屋。新宿だけで3店舗あり、1号店は2009年に西新宿にオープン。 小滝橋通りにある「タカマル鮮魚店4号館」は、2014年5月8日にオープン。できた頃から知っていたが、一度も入ったことがなかった。ちょう…
中学・高校時代の記憶を辿ると、そこにはいつも𠮷野家がある。大吉や小吉の「吉」ではなく「土」に「口」の「𠮷」。ボクサーの辰𠮷𠀋一郎と同じ。ちなみに「丈」ではなく、右上に「、」がある「𠀋」が正しい。 上本町の𠮷牛 牛スパイシーカレー 新宿センター…
東京を離れる2週間前の夜。新宿の雑多な熱気の中心から、僕はそっと抜け出そうとしていた。 20時きっかり。日比谷でインタビューを2本終えたばかりの文章教室の先生が、息を弾ませて現れた。わざわざマンツーマンで夜の食事を設けてくれた。翌朝5時には始発…
「新しいラーメン屋が宿る街」と書いて、新宿と読む。その言葉を地で行くような店がある。いや、この店ほど“新宿らしさ”を体現しているラーメン屋は、他にないかもしれない。 新宿地下ラーメン。 2022年12月、まだコロナ禍の余韻が街に残る中、地下通路の一…
新宿に住んで12年が過ぎると、ふるさとの風景が、変わっていることに気づかないまま過ごしてしまう。帰省したとき、桜井駅の前に、金色の看板を光らせた台湾料理店があるのを見つけた。 大きく書かれた営業時間、吊るされた真っ赤な提灯、中国語でびっしり書…
東京で「青葉」を食べたことがあった。最初は高校時代、弟と夜行バスで奈良からやって来たとき。中野の名画座で松田優作の『最も危険な遊戯』を観る前、美味いと評判だった青葉の本店に並んだ。だが、風邪気味だったせいもあるのか、その味に感動はなかった…