食いだおれ白書

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新橋カフェテラス「ポンヌフ」

新橋カフェテラス「ポンヌフ」

YouTube山田五郎が「ナポリタン好きなら知らない人はいない喫茶店」と紹介していた。ナポリタンを日本一美味しく作れる素人としては聞き捨てならない。激混みの金曜の昼時、錦糸町から満員電車に潰されながら新橋に向かった。ポン・ヌフはフランス語で「新しい橋」の意味であり新橋そのものである。ポンが橋、ヌフが新しい。

(画)アルベール・マルケ

新しい橋の名前とは裏腹にパリに現存する最古の橋でありセーヌ川が流れる。ルノワールカミーユピサロも描いており、アルベール・マルケのタブローが最高傑作。映画ファンにはレオス・カラックスの『ポン・ヌフの恋人』でお馴染み。

新橋カフェテラス「ポンヌフ」

東京の新橋に戻ると昭和の夏休みを真空パックした喫茶店葛飾北斎富嶽三十六景の団扇が各カウンターにあり、店員はおばちゃんかおばあちゃん。みな優しい。

新橋カフェテラス「ポンヌフ」

千円、大盛り無料。煮込み料理のように柔らかい麺と具。ケチャップの酸味が効いている。飲食店は回転が命なのでメイラード反応でケチャップの酸味を飛ばす時間がないのだろうか。これは仕方ない。しかし、ナポリタンはベンコッティ(バリやわ)が良いパスタなので基本に忠実。店内は夏休みの小学生が多く、テレビのパリ五輪中継に夢中になっていた。