食いだおれ白書

世界を食いだおれる

元祖博多だるま/博多駅

元祖博多だるま/博多駅

ラーメンは街を映す鏡。旅の訪れに食べることが多いが、街を離れる惜別ラーメンも再び此処を訪れようとする磁力になる。昭和38年の創業。現在は博多駅の商業施設「博多デイトス」に店舗がある。

元祖博多だるま/博多駅

ランチセット。博多ラーメン+明太子丼、千円。店内にスピッツ『渚』が流れていた。柔らかい旅の思い出が旨さを加速してくれる。豚骨の匂いは別府温泉の硫黄と同じアロマ。バリカタにしなくても腰十分の麺、紅生姜はあとで少しだけ。主役の赤は明太子に譲る。『さらば友よ』のアラン・ドロンのような逸品。

元祖博多だるま/博多駅

博多に来るたび、様々な博多らーめんを食べてみたいが、次も此処を訪れよう。

明礬うどん/別府

明礬うどん/別府

旅を重ねるたびに東京の小洒落た店より、地方のお母さんが作る料理のほうが美味しくなっていく。それを確認するのは旅の大きな使命である。素泊まりしかない別府の明晩温泉・紺屋地獄から歩いて3分。ここに癒しと美味がある。明礬うどん。

明礬うどん/別府

山菜盛り沢山な明礬うどん900円、別府発祥の「とり天」500円を追加。昆布出汁と醤油出汁をブレンドしたような滋味、現地で食うとこんなに旨いのかとビビるとり天。沢庵も最強。大分出身の源田壮亮くらい、たまらん美味しさ。絶対に温泉とセット。

別府駅のファミマで買って宿の冷蔵庫でキンキンに冷やしておいた紙パックのワイン。そんなワインも明礬うどんの余韻のおかげで美味しく頂けた。

別府駅〜喫茶Pirica、ランズ珈琲

別府の銀座商店街

別府の銀座商店街

 

甲子園で高校野球の決勝を観たあと、8月25日の夜の深夜バスで大阪難波から深夜バスで別府に向かった。2025年3月に温泉の本を出すためだ。竹瓦温泉で旅の汗を流したあと、朝ごはんを食べる場所を探した。

ソルパセオ銀座

別府の銀座商店街(なんでも地方は銀座をつけたがる)では昭和レトロの店が多い。入りたいが朝はやっていない。夜になるとネオンと共に活気が目を覚ます。

別府駅前のブルーバード劇場

別府駅前の「シネマ・ブルーバード」では松田龍平の『わたくしどもは』が上映中。新宿で見逃したので観たかったが、夜19時の上映しかない。ひとり旅の知らない町で、知ってる映画に出逢ったときの安心感。旅情。

喫茶Pirica

別府,喫茶Pirica

八月の別府湾が目の前に広がる喫茶Pirica。朝10時半から営業している喫茶店

別府,喫茶Pirica

織田哲郎が聴こえてきそうな海光明媚。こんなロケーションで頂く朝ごはんは最高に決まっている。

別府,喫茶Pirica

店内は木の温もりにあふれている。地元の特産品を販売していた。

別府,喫茶Pirica

ひとっ風呂あびたあとのモーニング。地元の農家さんのお米、卵焼きとゴーヤチャンプルー。オクラの味噌汁、アイス珈琲。おにぎりの海苔を巻かない美しさ。840円おにぎりセットにアイス珈琲340円。美味しさが翼を広げる。

ランズ珈琲

別府,ランズ喫茶

朝ごはんを食べて、共同湯でもう一度、風呂に浸かった。別府ラーメンを食べて明晩温泉に向かおうとしたとき、とんでもない看板が出現した。「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府、甘味はランズ」と名文句。素通りなんてできない。

別府,ランズ喫茶

別府温泉の路地裏、昭和56年創業のアメリカンダイナー。自分より年上だ。

別府,ランズ喫茶

マリリン・モンローと理由なき反抗のジェームズ・ディーンパルプ・フィクション
BGMはエルヴィスの『愛さずにいられない

別府,ランズ喫茶

ナポリタンが気になったが、湯上がりは別府の蘭王卵のプリン。アイスは甘さ控えめ、プリンは甘さたっぷり。濃厚民族にうれしい緩急。アイスコーヒーも欠かせない。

別府,ランズ喫茶

自分はどこから来たのか?何者なのか?どこへ向かうのか?答えは風だけが知っている。

とんかつまるや/新宿壱番街

とんかつまるや/新宿壱番街

日本でいちばん好きなトンカツ屋さんは仕事から徒歩15秒の所にある。都内に23店舗を構える「とんかつまるや」。本店は新橋。ローコストハイクオリティ、鮮度にこだわり一つ一つ手作りで提供がモットー。鹿児島の黒豚や最上質の胡麻油を使ったトンカツも美味しいが、良すぎる食材を使えば最高になるとは限らないのが料理の面白いところ。ラーメンも同じ。フカヒレや鮑を使うより、チャーシューとメンマが最高に美味しい。

とんかつまるや/新宿壱番街

「とんかつまるや」はアルバイトから職人さんまで元気が日本一。こんな飲食店、他にない。他の店舗は行ったことないけど間違いない。他の「まるやさん」のファンがいたら新宿店に来て欲しい。仕事で落ち込んだとき、仕事場でイライラしたとき、いいことがあったとき、まるやに足が向かう。

とんかつまるや/新宿壱番街

全メニューを制覇したい。実際、しょうが焼き定食、ヒレかつに寄り道したことはあるけど、やっぱりロースかつ定食を頼んでしまう。2024年の夏前は750円だった。物価高で50円アップ。でも構わない。北里柴三郎の千円札でお釣りがくる。支払いはPayPayだけど。

とんかつまるや

ロースカツ定食800円

ご飯大盛り無料。カツにソースは付けずキャベツにだけトンカツソース。ロースの油が完璧。塩もいらない。僕のために開発したメニューじゃないの?って思うほど味が完璧。なにも足さず、なにも引かない。大根の漬物の酸味がトンカツの油とマリアージュ。なにより、しじみの味噌汁が美味しくて通ってしまう。定食は主役のドライバーより助手席。助手席を魅力的に描けるヴィム・ヴェンダース監督のトンカツ屋さん。

とんかつまるや/新宿壱番街

次もロースカツ定食。まるやさんは「日本一のとんかつ屋」を目指している。まるやさん、少なくとも僕にとっては、すでに日本一のトンカツ屋さんですよ。

❏所在地:東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル地下1階
❏TEL:03-6258-5997
❏席数:63席
❏営業時間:平日:11時~22時、土曜:11時~15時
❏休日:日・祝日

ラ・ボエム(白金台&新宿御苑)

ラ・ボエム(白金台&新宿御苑)

東京、横浜で13店舗を運営するイタリアンレストラン Cafe La Boheme(カフェ ラ・ボエム)。この名前にピンと来たら、かなりの映画マニア。

ラ・ボエム新宿御苑

ラ・ボエム新宿御苑

新宿御苑の店舗は新海誠の映画『君の名は。』で瀧(神木隆之介)と奥寺先輩(長澤まさみ)がアルバイトしていた店。コロナ禍の2022年に訪れたが、そのときも平日の昼から大混雑だった。

ラ・ボエム新宿御苑

晩春のトマトパスタが美味しかった。一度きりしか行けていない。

ラ・ボエム白金台

瀧と三葉のように再会は突然に。2024年8月15日(木)。白金台にある松岡美術館へ寄った帰りに昼メシを食べるところ彷徨っていると、立派な建物。プラチナ通りにある古城のレストラン。ラ・ボエムの白金台店だ。

ラ・ボエム白金台

さすがシロガネーゼ新宿御苑よりも豪華なシャンデリア。外国人の観光客や家族連れが多い。サラダ、パスタ、デザート、ドリンクのランチセット2,420円。

ラ・ボエム白金台

シャキシャキのサラダとコーラの相性たるや、最高のマリアージュ

ラ・ボエム白金台

青唐辛子とシラスのペペロンチーノ。ニンニクが効いてシラスの爽やかさが夏を彩る。青唐辛子のパンチもよし。レベルが高い。再現レシピを作ろう。

ラ・ボエム白金台

デザートはバスクチーズケーキ。ケーキ単体でもうまいが、生クリームと合わせるとエレガントさがスパークル。『君の名は。』のテッシーとサヤちんのマリアージュ

新橋カフェテラス「ポンヌフ」

新橋カフェテラス「ポンヌフ」

YouTube山田五郎が「ナポリタン好きなら知らない人はいない喫茶店」と紹介していた。ナポリタンを日本一美味しく作れる素人としては聞き捨てならない。激混みの金曜の昼時、錦糸町から満員電車に潰されながら新橋に向かった。ポン・ヌフはフランス語で「新しい橋」の意味であり新橋そのものである。ポンが橋、ヌフが新しい。

(画)アルベール・マルケ

新しい橋の名前とは裏腹にパリに現存する最古の橋でありセーヌ川が流れる。ルノワールカミーユピサロも描いており、アルベール・マルケのタブローが最高傑作。映画ファンにはレオス・カラックスの『ポン・ヌフの恋人』でお馴染み。

新橋カフェテラス「ポンヌフ」

東京の新橋に戻ると昭和の夏休みを真空パックした喫茶店葛飾北斎富嶽三十六景の団扇が各カウンターにあり、店員はおばちゃんかおばあちゃん。みな優しい。

新橋カフェテラス「ポンヌフ」

千円、大盛り無料。煮込み料理のように柔らかい麺と具。ケチャップの酸味が効いている。飲食店は回転が命なのでメイラード反応でケチャップの酸味を飛ばす時間がないのだろうか。これは仕方ない。しかし、ナポリタンはベンコッティ(バリやわ)が良いパスタなので基本に忠実。店内は夏休みの小学生が多く、テレビのパリ五輪中継に夢中になっていた。

新宿ラーメンおすすめ十二使徒

天はラーメンの上にラーメンを造らず、ラーメンの下にラーメンを造らず。新宿最強のイケ麺、ラーメン十二使徒を年間300食以上は麺類を食べる麺ヘラが紹介。らーめんウルトラ新宿マラソンSTART🍜

ラーメン大戦争

ラーメン大戦争

怪獣映画のような店名、 松田優作が愛したバーボン「OLD CROW』が超オシャレ、 大盛り無料、チャーシュー5枚まで無料。新宿公園までのジョギングを台無しにするサービス。新宿に住んでいるかぎり、痩せるのは一生無理だと痛感した日。

訪問日:2022年11月24日

ひじり屋

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西新宿の深夜食堂。人気の少ない十二社通り、今どき珍しい「支那そば」

スープは透き通る程あっさり、麺は旨味しっかり。ラーメンで難しい匠の技。高校時代に大阪の上本町で食べた溶けて旨味が残照するチャーシュー。寡黙な店主に「美味しかったです」と言うと笑顔が弾けた。

訪問日:2023年4月15日

麺や 麦ゑ紋 (ムギエモン)

麺や 麦ゑ紋 (ムギエモン)

行列のできない美味しい新宿のラーメン屋。この日は野球帰りに訪問。巨人観戦6連敗で、生観戦は15年も勝ってない。違う意味でジャイアンツ・キリングな客。諦めたらそこで試合終了。懲りずに7回目の観戦へ。

訪問日:2022年7月9日

江戸麺 GOODLE (グードル)

江戸麺 GOODLE (グードル)

2022年の夏、高田馬場にオープン。お上品でパンチが少なそうと敬遠してたが、品があるのに野生味とセクシーさを兼ね備える。ラーメン界のジョニー・デップ。新宿で3本の指に入るラーメン。

訪問日:2022年9月13日

煮干中華そば 鈴蘭

煮干中華そば 鈴蘭

新宿三丁目までのジョギング帰り。ラーメンのW杯があれば100%ベスト8進出。スープが銀色になるまで通常の倍の煮干しを使用。煮干しの旨みを麺に伝えつつ、見た目に反してスープは超あっさり。翼くんのオーバーヘッドキック並みのプロの技。痩せるか太るかは神のみぞ知る。人生はギャンブルだ。

訪問日:2022年12月4日

らぁ麺やまぐち

らぁ麺やまぐち

ラーメン界のスーパーサイヤ人3。早稲田でナンバーワンの美味さ、鶏そば。至高のラーメンも、人生を変えてくれる映画も家には持って帰れない。映画より映画館のファン、ラーメンよりラーメン屋のファン。

訪問日:2021年4月7日

大王ラーメン

大王ラーメン

昼間っから現場仕事のおっちゃんが生ビールとチューハイで乾杯してる店。昨夜の7.7キロのジョギングを一杯で台無しにするロースラーメン。

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「走れど走れど 我が体型 引き締まらず ぢっと器を見る」

訪問日:2021年1月7日

麺屋こころ 西早稲田

麺屋こころ 西早稲田

台湾まぜそばの店で、あえて塩ラーメン。No soup, No Ramen。「こんな優しいスープはないな」と飲み干そうとしたら、ご飯を投入してくれた。おじやが、また沁みる味。早稲田に「ラーメン難民」という言葉はない。

訪問日:2020年4月1日

麺屋こころ 西早稲田

早稲田『武道家 本店』

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ラーメンは《美しき沼》と見つけたり。店名に恥じないヘビー級ラーメン。50円プラスで海苔を増量。沼に浸して銀シャリを巻く。もう峰不二子。魔性100%勇気。もう抜けられない。泥のような汁を飲み干して店員さんが「初めてだ」と驚いていた。そんなの朝飯前よ。

訪問日:2020年3月18日

麺屋武蔵

麺屋武蔵

新宿ラーメン=麺屋武蔵十二使徒ではなくジーザス・クライスト枠でもいい。濃厚・こってり・極太麺。ラーメンはヘビー級と心得よ。登山帰りに寄ると、新宿に帰ってきたと実感させてくれる。大谷翔平の162キロのツーシームに劣らないキレの魚介スープ、極太チャーシュー。消費カロリーを遥かに超えるコレステロールを摂取するのが正しい山登り。

訪問日:2021年1月3日

うだつ食堂  早稲田

うだつ食堂

会社員時代、オフィスという名の部室から徒歩1分だった徳島ラーメン屋。

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コンビニ弁当の予定が何度、店内から漂う悪魔の芳香に誘われ予定を変更したか。ランチにも夜の居酒屋代わりにも通った。

うだつ食堂

たまに変なメニューもぶっ込んできた。『トマトチーズつけ麺』。伊藤智仁のスライダー級の切れ味。脇役の錦糸卵がいい仕事していた。

訪問日:2020年10月23日

【閉店】近江熟成醤油ラーメン 十二分屋

【閉店】近江熟成醤油ラーメン 十二分屋

惜しまれつつ幕を閉じた十二分屋。仲の良かった先輩とコロナ禍の会社帰りに寄った。近くには半地下のザリガニ屋があった。パラサイトと呼んでいた。いつか行きましょうと言っていま金曜の夜。

先輩、土日は何するんですか?

「昼まで寝て、漫画読んで、気づいたら夜です」

ステキな充電ですね

「いや、俺は常に漏電してるんで」

先輩の名言に痺れまくって感電した。

なんでもない夜のこと。二度とは戻れなない夜。

訪問日:2020年11月21日