
あらゆる国の料理が所狭しと並ぶ新宿センタービル(新宿壱番街)のなかにあるラーメン屋さんが「舎鈴(しゃりん)」である。2011年に赤羽1号店をオープン。コンセプトは「毎日食べられる 美味しいつけめん」
内観

どっしりとした飲み応えでパンチはあるが、魚介の風味が効いて毎日食べても飽きることがないラーメンを目指している。舎鈴(しゃりん)は超有名店である六厘舎を運営する株式会社 松富士食品が手がけるので、つけ麺が主流。残念ながら、つけ麺はラーメンの部類に入れていないので(スープがないと寂しくて死んじゃう)ので頼んだことがない。
41席のうちカウンター33席、4人テーブル2卓。忙しいサラリーマンが多いのでカウンター中心。新宿壱番街では珍しく日曜も無休で営業しているのがうれしい。

お水も紙エプロンもセルフ。

食券を買ったらモニターに番号が表示され、順番が来たら音声で呼び出される。
味玉そば890円

味玉そば890円。スタンダードと呼ぶなかれ。王道。帝王学のラーメン。煮干しと薄口醤油の出汁。旨味たっぷりの温泉は力強くやさしい。この中で麺や具が仮面舞踏会する。味玉、トゥトゥルの焼豚、満月のネギ、小ぶりのメンマ、控えめなナルト。どれも欠かせない。このラーメンにエキストラはいない。

味変はしない。一気呵成に温泉を飲み干す。ブルース・リーのような蒼き龍が現れるまで。
【裏技】

味変ではなく裏技。最初から一味をたっぷりかけると「赤辛ラーメン」に華麗なる変身。唐辛子が蝶のように舞い蜂のように刺す。たまには聖なる邪道もモハメド・アリ。
味玉そば大盛り990円

日曜日も17時まで営業してくれているから嬉しい。自分への1週間のご褒美、来週へのカンフル剤で100円増しの大盛り。かなりのボリューム。次郎ラーメンを食う感覚。途中で味変に酢と一味を援護射撃。食べ切ってみると、まだ食べられるから不思議。
ニラそば940円
ニラそば+味玉で940円。リングイネのような平打ち麺、細かく切ったニラが手を抜かず仕事してくれる。メンマも細切りなので調和の芸術。

平打ち麺、煮干し出汁、ニラ。クセの強いクリーンアップのバックスクリーン3連発。お見事でした。
朝ラーメン440円

7時30分から10時まで朝ラーメンをやってるのも嬉しい。「素らーめん」440円。仄かな煮干し&塩魔大王の出汁。

味変ドリクスはしない派だが、具が無いので代打の一味唐辛子。

辛味とキレがオーソン・ウェルズのような第三の男となってくれる。イケ麺は朝のブルース。
新宿おすすめモーニング
つけめん890円

舎鈴はらーめん、つけめんの二刀流。極太麺があっさり系の煮干し醤油の出汁をしっかり吸収。過剰でも不足でもない絶妙の味付け。味変なしでも飽きずに食べられる。

味変ドリクスはしない主義だが、おすすめに従って七味黒と柚子粉を試す。フォークとカットボールのような変化球。つけ麺に緩急が生まれ、ストレートに戻ったときに生きる。見事な味変。

割りスープ不要で飲み干す。完封試合のつけ麺。
赤辛ニラらーめん(期間限定)

890円。期間限定。でも、果たしていつまでなのか? 永遠に続く「期間限定」も、世の中にはある。丼を覗き込めば、鮮やかな赤と緑が渦を巻く。旨辛のスープに、たっぷりのニラとネギが浮かび、その中央にはピリッと刺激的な肉味噌が鎮座。レンゲを入れれば、ふわりと湧き立つ香り。ひと口すすれば、喉の奥がピリリとしびれ、思わずむせる。でも、もう止まらない。

辛さは暴力的ではないが、じわじわと舌を包み込むタイプ。気づけば丼に顔を近づけ、夢中で啜っている。周囲の視線? そんなもの気にしている余裕はない。ゴホゴホしながら、それでも止められない魔性の一杯。
“麺ヘラ”まっしぐら。期間限定が終わる前に、駆け込むべし。
茗荷冷かけ(夏期限定)

夏限定「茗荷冷かけ」940円。茗荷はパスタと最高の相性。特にイカ墨パスタとのコンビが至高。ラーメンにも絶対に合う。
涼しげな器に盛られた冷たい麺、その上に美しく盛られた茗荷のシャキッとした赤紫色。見た瞬間、涼が走る。
冷たいツルツルの麺に、驚くほど濃厚な出汁。いや、もはやタレと言っていいほどの強さ。氷が浮かんでいても、その味わいは一切薄れない。口に含んだ瞬間、旨味が全方位から押し寄せてくる。このラーメン、濃厚につき。
主役の茗荷は、期待通りの清涼感。真の主役はネギ。シャクシャクの食感、爽やかな苦味。夏の暑さを一瞬で吹き飛ばす。「ネギ is KING」。ネギは夏の王様。次は「味玉冷かけ」への旅路が待っている。
味玉冷かけ(夏期限定)

0泊2日、深夜バスで名古屋を往復したあと、身体の芯に鉛のような疲れが残っていた。
そんなタイミングで「味玉冷かけ」。夏限定の冷やしラーメン。器から立ち上るのは湯気ではなく、澄んだ涼しさ。
スープはキリッと冷え、ひと口すすると、ほんのり甘いタレが舌にやさしく広がる。その甘さが、蓄積した疲労を少しずつ剥がしていく。冷たさもまた、心地よい。夏の空気を一瞬忘れさせてくれる。
トッピングの角切りチャーシューは、ほどよい歯ごたえ。コリッとした噛み心地が、単調になりがちな冷やしラーメンにしっかりとアクセントを加える。
そして味玉。とろりとした黄身が、甘めのスープに優しくとけ込む。ただし、冷かけのスープに浸された味玉は、温かいラーメンと比べるとやや控えめな印象もある。温ラーメンの中でこそ、本領を発揮する味玉のポテンシャルに気づけたのも、この冷かけのおかげだ。
疲れている時、人は何かを求める。それは豪華な何かではなく、静かに沁みる「ちょうどいい一杯」。この味玉冷かけは、まさにそんな存在。
| 住所 |
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| 交通手段 |
西新宿駅より徒歩5分 都庁前駅から290m |
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| 営業時間 |
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『月とクレープ。』に寄せられたコメント
美味しいご飯を食べるとお腹だけではなく心も満たされる。幸せな気持ちで心をいっぱいにしてくれる、そんな作品。
過去を振り返って嬉しかったとき、辛かったときを思い出すと、そこには一生忘れられない「食」の思い出があることがある。著者にとってのそんな瞬間を切り取った本作は、自分の中に眠っていた「食」の記憶も思い出させてくれる。