
かつて東京のカレーといえば「神保町」が代名詞だったが、今や“カレーの聖地”は新宿に移っている。「カレーの名店」と呼ばれた店が、次々と新宿にオープンし、多国籍文化の交差点として、インド、ネパール、スリランカ、欧風、日本式、タイといった多彩なカレーが集結。ランチにもディナーにも、深夜にも立ち寄れる、カレーの楽園・新宿。12年間、新宿のカレーを食べ歩いた中から、特におすすめの名店を厳選して紹介する。
- FISH 新宿店【南インドカレー】
- スパイシーカリーハウス 半月【南インド】
- Spice Bar モンカリー【南インドカレー】
- ナングロガル【ネパールカレー】
- ネパールツロ【ネパールカレー】
- カレーハウス11イマサ【欧風カレー】
- スクンビット ソイ55【タイカレー】
- カフェ・ハイチ【ハイチカレー】
- とんかつまるや【和風カレー】
FISH 新宿店【南インドカレー】
新宿最強のフィッシュカレー

西新宿・小滝橋通り沿いに佇む、南インドカレーの名店『FISH 新宿店』。六本木アークヒルズの伝説的スタンドカレーを引き継いだ店舗として、2018年に復活。以来、スパイス好きを魅了し続けるカレーの“金字塔”だ。

店内はミントグリーンを基調に、どこかレトロで清潔感ある落ち着いた雰囲気。スパイスの香りがふわりと立ちこめ、胃袋だけでなく感性までも刺激してくる。

おすすめは看板メニュー「2代目フィッシュカレー」。揚げたてサクサクの白身魚が驚くほどジューシーで、濃厚な旨味とスパイスの辛味が絶妙に絡み合う。ライスや副菜とのバランスも秀逸で、スプーンが止まらない。スパイス界の“下剋上”とも呼ぶべきインパクトだ。
伝説の味は皿の上に今も息づいている。新宿でスパイスカレーを語るなら、まずはこの一皿を。
店舗情報
- 店名:FISH 新宿店(フィッシュ)
- 住所:東京都新宿区西新宿7-5-6 新宿ダイカンプラザ756 2F
- アクセス:JR新宿駅西口から徒歩8分/西武新宿駅から徒歩5分
- 営業時間:11:30〜15:00/17:30〜21:00
- 定休日:日曜
スパイシーカリーハウス 半月【南インド】
路地裏に咲く、スパイスと物語の名店

北新宿・百人町の交差点近く。細い路地にひっそりと佇む『スパイシーカリーハウス 半月』は、静けさの中にスパイスの熱を秘めた名店。パステルブルーの扉と、黄色い看板が目印の店は、2017年に創業して以来、独自の創作性と味でファンを魅了してきた。

店内はコンパクトながら居心地がよく、音楽や装飾にもセンスが光る。メニューは「チキンカレー」「日替わりカレー」「2種盛り」の3種類とシンプル。その分、料理に対する誠実さと集中力がうかがえる。

おすすめは「2種盛り」。チキンカレーは南インド・スリランカ・ネパールの要素が交錯する骨太な味。日替わりの「ココナッツビーフ」や「イカ墨カレー」は、それぞれ甘みや深み、香りの変化が楽しめ、チキンとの対比で真価を発揮する。アチャールやキャロットラペなど副菜も、全体の調和を支える大事なピースだ。
ふたつの“半月”が寄り添ってひと皿をつくり出す。満月のような満足感。スパイスカレーの新たな表現に出会える、芸術的な一軒である。
店舗情報
- 店名:Spicy Curry House 半月(スパイシーカリーハウス はんげつ)
- 住所:東京都新宿区百人町1-24-10 丸正食品センター2号館 1F
- アクセス:JR大久保駅北口から徒歩2分/JR新大久保駅から徒歩5分
- 営業時間:11:30〜15:00/18:00〜21:00
- 定休日:月曜・火曜
Spice Bar モンカリー【南インドカレー】
北新宿に潜むスパイスの爆心地

北新宿の静かな住宅街。その一角にぽつりと現れる黒いテントと小さな店構え。そこが、2022年にオープンしたスパイスカレーの名店『Spice Bar モンカリー』。街の喧騒から離れた場所ながら、通う者を確実に虜にする“カレーの楽園”だ。

カウンターのみの店内には、ほどよい緊張感と静けさが漂う。厨房に立つ店主は、複数の人気カレー店で修行を重ねた経験を持つ実力派。装飾を排し、無駄を省いた空間に、スパイスへの強い意志がにじむ。

おすすめは「ポークカレー」。岩手県産の岩中豚ロースをビネガーで漬け込んでからじっくり煮込んだ一品で、肉はホロホロ、脂はコク深く、酸味とスパイスが見事に調和する。長粒米との相性も抜群で、南インドの食文化を体感できる仕上がり。さらに、ナメ茸やヨーグルトなど副菜の構成も芸術的で、全体の流れを自然に整えてくれる。

食後のラッシーは、注文を受けてから丁寧にステアされる逸品で、口内をやさしく洗い流してくれる。
北新宿という静謐な土地に、異国の風と冒険心を運んでくれるスパイスの聖地。スパイスカレーの奥深さを、心から実感できる名店である。
店舗情報
- 店名:Spice Bar モンカリー(スパイスバー モンカリー)
- 住所:東京都新宿区北新宿1-30-1
- アクセス:JR大久保駅北口から徒歩4分
- 営業時間:11:30〜15:00(売り切れ次第終了)
- 定休日:火曜日
ナングロガル【ネパールカレー】
新大久保に息づくカトマンドゥ

新大久保駅から歩いて数分、雑居ビルの3階に店を構える『ナングロガル』。店名はネパール語で「竹の家」を意味し、店内には竹細工の装飾やネパール語の会話、スパイスの香りが漂う。ここは、ネパールを知る人にとって“もう一つのカトマンドゥ”と呼びたくなる場所だ。

ネパールを旅した人が懐かしさを覚え、ネパールを知らない人がその空気に惹かれる。そんな“旅の記憶”を皿の上に再現してくれるのが、この店の「ダルバート」。ネパールの国民食とも呼ばれる家庭料理で、豆スープ(ダル)、米(バート)、炒め物(タルカリ)、漬物(アツァール)、カレーがひと皿に盛られる。

『ナングロガル』のダルバートは、エヴェレストで食べた味に最も近い本格派。素朴ながら滋味深く、スパイスの使い方に現地の生活感がにじむ。しっかりとスパイスで仕上げられたチキンカレーに、やさしい豆スープが寄り添う。付け合わせの野菜炒めや漬物もすべて手作りで、どのひと口にも家庭の温もりがある。
ネパールを旅した者にも、まだ旅していない者にも。ナングロガルは、新大久保に吹くヒマラヤの風である。
店舗情報
- 店名:ナングロガル
- 住所:東京都新宿区百人町1-17-10 常陽第2ビル 3F
- アクセス:JR新大久保駅から徒歩4分
- 営業時間:11:00~15:00/17:00~22:00
- 定休日:火曜日
ネパールツロ【ネパールカレー】
ヒマラヤを感じる大久保の隠れ家

JR大久保駅南口からほど近く、雑居ビルの合間に静かに佇むネパール料理店『ネパールツロ』。看板を見上げるだけで、山岳ロッジのような温もりを感じる。

店名の“ツロ”はネパール語で「大きい」という意味。東京にいながら、ヒマラヤの懐に包まれたような感覚に浸れる一軒だ。

この店の魅力はなんといっても「カナセット(ダルバート)」に尽きる。銀のプレートに、ライス・豆のスープ(ダル)・チキンカレー・野菜炒め(タルカリ)・青菜・漬物(アチャール)・豆の煎餅(パーパド)などが円形に美しく盛りつけられる。ひと皿で栄養もバランスも満点。混ぜて、重ねて、少しずつ味を調整しながら食べるうちに、身体が芯から温まり、力が満ちてくるのを実感できる。
山を目指す登山者たちの“儀式”として愛されてきた一皿が、今では日常のなかで気軽に味わえる幸せ。ネパールの空気と地力を感じたいなら、『ネパールツロ』でダルバートを味わってほしい。
店舗情報
- 店名:ネパールツロ
- 住所:東京都新宿区百人町1-24-16 カーサ大久保 1F
- アクセス:JR大久保駅南口から徒歩1分
- 営業時間:11:00~15:00/17:00~23:00
- 定休日:無休
カレーハウス11イマサ【欧風カレー】
一日が始まる朝カレーの聖地

新宿駅西口、京王モール内という抜群のアクセスに店を構える『カレーハウス11イマサ』。1964年創業の老舗カレー専門店であり、新宿という街の変遷とともに歩んできた名店である。

朝7時から営業しており、忙しいビジネスパーソンや旅人の胃袋を、半世紀以上にわたり温かく満たし続けている。

おすすめは、朝にぴったりな「チキンカレー」。まろやかで甘口のルーは、トマトやチャツネの甘みを生かし、パプリカや玉ねぎが優しい風味を引き立てる。しっとりと煮込まれたチキンが、静かな朝にじんわり染み渡る一皿。彩り豊かなレトロポップな皿が、気持ちまで柔らかくしてくれる。ラッシーと一緒に楽しめば、甘みと辛みの対比が絶妙な朝のリズムを生む。
「朝カレーはここに限る」。そう言い切れる理由が、この店にはある。昭和から令和へと続く味の記憶。今日という一日を、やさしく、そして力強く始めさせてくれる。
店舗情報
- 店名:カレーハウス11イマサ
- 住所:東京都新宿区西新宿1丁目1番地 新宿駅構内 京王モール
- アクセス:JR新宿駅西口から徒歩1分
- 営業時間:7:00〜22:00
- 定休日:無休
スクンビット ソイ55【タイカレー】
タイ国商務省認定、本格カレー

新宿三井ビルの地下、喧騒を抜けた静かなフロアに、タイの屋台を思わせる香りが漂う。その源こそ『スクンビット ソイ55』。タイ国商務省が認定した本格派であり、まるで現地を訪れたかのような空間と味わいに出会える貴重な一軒だ。

平日ランチタイムは、7種の料理が並ぶビュッフェと選べるメインがセットになった“贅沢すぎる”構成。グリーンカレー、ヤム、スープ、タピオカミルクといった品々が好きなだけ楽しめ、異国情緒に満たされながら、1300円という手頃さにも驚かされる。

タイ料理が“オシャレな選択肢”ではなく、“懐かしい屋台の風景”として心にしみる。そんな体験ができる、都心の穴場的名店である。
店舗情報
- 店名:スクンビット ソイ55
- 住所:東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビルディング B1F
- アクセス:都庁前駅徒歩3分、新宿駅徒歩8分
- 営業時間:月〜金:11:00~15:00/17:00~22:00、土日祝:11:00~15:00
- 定休日:不定休
カフェ・ハイチ【ハイチカレー】
新宿に吹く、カリブの風

新宿の喧騒をすり抜け、静けさに包まれた地下空間へ。1974年創業の老舗「カフェ・ハイチ」は、ドライカレーとハイチ珈琲の絶妙なマリアージュで愛され続けてきた、唯一無二の名店だ。

アンティーク調の落ち着いた店内には、時間がゆっくりと流れている。

名物は、辛さ控えめの【ドライカレー+ハイチ珈琲(1,100円)】。優しさの中にじんわりと広がるスパイス感。そして、芳醇なハイチ珈琲が後味を締め、まるで異国の大地にいるかのような満足感を与えてくれる。珈琲がここまでカレーに合うという驚きは、ぜひ体験してほしい。
スピードもこの店の魅力。注文から3分以内で出てくるカレーと珈琲。短い滞在でも、満ち足りた時間を味わえる。この一杯、この一皿が、きっと明日の心を支えてくれる。
店舗情報
- 店名:カフェ・ハイチ
- 住所:東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル MB1F
- アクセス:JR新宿駅広場口から徒歩10分、都営大江戸線 都庁前駅から徒歩4分
- 営業時間:月〜金 9:00〜21:00(L.O. 20:30)/土日祝 11:00〜20:00(L.O. 19:30)
- 定休日:不定休
とんかつまるや【和風カレー】
心を癒すとんかつ定食とカツカレー

トンカツには人を救う力がある。落ち込んだ日、嬉しかった日、なにか区切りをつけたい日に、ふらりと足が向かうのが「とんかつまるや」だ。

2005年創業のこのチェーンは、都内に23店舗を構える人気店。中でも新宿センタービル地下のこの店は、活気と温かさに満ちている。

なかでもおすすめは【かつカレー定食(1,000円)】。サクサクのロースカツと、ルーを別添えにした本格カレー。だが、ルーはあくまで脇役。主役はあくまで“とんかつと白米”である。カレーはキャベツにかけてシャキシャキ感を楽しむのが通の食べ方。ソースの代わりにカレー、これが新しい。
なにも足さない潔さ。そして、必ずセットで出てくるシジミの味噌汁。この味噌汁こそが、定食全体を完成させる。体の芯に染みわたる一杯が、気持ちをそっと整えてくれる。トンカツとシジミの味噌汁。どちらも主張せず、だが確かに強い。
昼でも夜でも、いつだって迎えてくれる店。1,000円で味わえる、この幸福な定食は、まさに日常のご褒美だ。
店舗情報
- 店名:とんかつまるや 新宿センタービル店
- 住所:東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル B1F
- アクセス:JR新宿駅西口より徒歩5分
- 営業時間:平日 11:00〜22:00/土曜 11:00〜15:00
- 定休日:日曜・祝日
- 席数:63席
- TEL:03-6258-5997
東京おすすめカレー
新宿最強グルメマップ
新宿・思い出横丁のおすすめ名店
新宿のおすすめラーメン
新宿おすすめ寿司・海鮮
新宿のおすすめ中華料理
新宿おすすめイタリアン
新宿うどんの名店
新宿おすすめランチ
新宿おすすめモーニング
新宿センタービルのグルメたち
食の憶い出を綴ったエッセイを出版しました

『月とクレープ。』に寄せられたコメント
美味しいご飯を食べるとお腹だけではなく心も満たされる。幸せな気持ちで心をいっぱいにしてくれる、そんな作品。
過去を振り返って嬉しかったとき、辛かったときを思い出すと、そこには一生忘れられない「食」の思い出があることがある。著者にとってのそんな瞬間を切り取った本作は、自分の中に眠っていた「食」の記憶も思い出させてくれる。