食いだおれ白書

世界を食いだおれる。世界のグルメを紹介します。孤高のグルメです。

『麓鳴館』」〜心斎橋に残る昭和の宝箱、音楽と人情が回る

心斎橋の喧騒から少し外れ、大宝寺通りを北に入った横丁に、1974年創業の喫茶館「麓鳴館(ろくめいかん)」はひっそりと佇んでいる。レンガ造りの外観は時代の流れをまとい、古びたというよりは歴史を刻んだ重厚さを放つ。

扉を開けると、アンティークな内装が迎えてくれる。曲線を描いたカウンターは大きな一枚板で、その奥にはボヘミアガラスの工芸品や洋酒のボトルが並ぶ。

女将のシゲ子さんの趣味が隅々にまで反映され、照明や小物に至るまで統一された世界観が広がっている。

この店ではレコードがBGMだ。シゲ子さんに「好きなレコードかけてくださいな」と促され、初めて針を扱おうとして戸惑うと、「そのやり方じゃ壊れてしまうのよ」と優しくレクチャーを受ける。丁寧に針を落とすと、Beatlesが店内に響き、時間が一気に逆戻りするような感覚に包まれる。

カウンターには食材が並び、それすらもインテリアの一部として馴染んでいる。名物は「麓鳴館カレー」。欧風仕立てで、ジャガイモやウインナー、玉子が丸ごと入った具沢山の一皿だ。この日は、日替わりで添えられるニンニクの芽と一緒に供され、香ばしい風味がカレーの奥行きをさらに引き立てていた。

カレーとBeatlesの相性が驚くほど自然で、口に運ぶたびに音楽と料理が共鳴するようだ。

食後には珈琲とともに黒砂糖がおつまみとして添えられる。砂糖をかじりながら一服するのがこの店流のおもてなし。

 

19席ほどの小さな空間で、ひとり静かに過ごす客もいれば、シゲ子さんとの会話を楽しみに訪れる常連もいる。料理の提供に少し時間がかかることもあるが、それすらもこの店で流れるゆったりとした時間の一部だ。

心斎橋の裏路地にある隠れ家「麓鳴館」は、欧風カレーと音楽、そして女将の人柄に惹かれて人が集まる場所だ。都会の真ん中で、昭和の純喫茶文化とシゲ子さんのセンスが今も息づいている。

麓鳴館の基本情報

項目 内容
名称 麓鳴館(ろくめいかん/ろくめい舘)
住所 大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-3-12
最寄駅 心斎橋駅 徒歩2〜3分程度
開業年 1974年
席数 約19席
営業時間 14:00〜19:00
定休日 不定休
予約 不可
支払い方法 現金のみ
駐車場 なし

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