食いだおれ白書

世界を食いだおれる。世界のグルメを紹介します。孤高のグルメです。

なか卯の憶い出〜お姉さん、お世話になりました

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2025年、7月いっぱいで新宿を離れることにした。実家の奈良に帰る。2013年11月7日に上京し、最もお世話になった飲食店が小滝橋通りにあった「なか卯」。2024年9月いっぱいで閉店してしまったが、感謝は一生消えない。

Twitterを始めた頃から、ほとんどの投稿が、なか卯に染まっていた。

※「なか卯の憶い出」はTwitterに投稿したものを、そのまま掲載しています。意味が通じない部分もありますが、当時の雰囲気も味わいながらご覧ください。

なか卯のお姉さん

東京の朝は、卵かけご飯から始まる。新宿、小滝橋通りのなか卯。銀シャリ、味噌汁、焼き海苔。そして生卵。これが通勤前の心の健康食。それ以上を望むと違う贅沢になってしまう。KinKi KidsやZARDなど好きなアーティストの曲が有線で流れると、1日が良くなる気がする。音楽は聴覚の調味料。

片岡義男は「味噌汁は朝のブルース」と表現したが、僕にとって、なか卯の味噌汁はモーニング珈琲。一日を始めるトルコ行進曲。

上京してから11年間も通っているから、店員のお姉さんとも親しくなった。自転車で到着するとお姉さんは準備を始め、席に着くときにはお膳が運ばれてくる。

今は小平市に住んでいるらしいが、京都の太秦出身。映画村の近くの老舗のお好み焼き屋さんが実家で、俳優もよく来る。高校生のとき、商店街で「お父さん、ただいまー」と背中越しに声をかけたら山城新伍だったらしい。

おじい様は映画カメラマンで、大島渚などの映画も撮ったことがある。その影響でお姉さんは上京するまで「カメラ」のことを「キャメラ」と発音していた。

幼稚園のころから太秦の撮影所に遊びに行き、子役が足りないときはエキストラで出たりする。着物を着せてもらい、時代劇の廊下を走り回る。子どもには高額なお小遣いで、古き良き映画の時代をセミプロとして体験した。

新宿のなか卯は外国人の留学生が多いので、毎日ひとつずつ関西弁を教えるのが楽しみ。「おおきに」「ほな、さいなら」

ただし、「お客さんには使ったらあかんよ」と注意も忘れない。

自分は奈良出身だが、ふたりとも会話は必ず標準語。意識しているわけではないが、そのほうがしっくりくる。

お姉さんはバレエが好きだったが、高校生まで無理やりピアノを習わされ、その反動で上京してからミュージカルの劇団に所属した。早見優のバックで踊ったことがあるらしい。鍵盤を叩くのは得意だが、パソコンのタイピングは苦手。だから今もアルバイトのシフト管理は紙でしている。

緊急事態宣言で時短営業になったときは、自らのシフトを削り留学生に譲ってあげた。「また貧乏になっちゃうよ」とおどける笑顔がまぶしかった。常連のお客さんに無料券を配りまくるので、本部に提出する反省文の多さは、東京でいちばん多いと自慢している。

そんなこんなで、コロナ禍になろうと、毎朝のルーティンは変わらない。明日も、お姉さんと楽しく話す"ふりかけ"をご飯にのせて、自転車で会社に向かう。

2020年3月16日

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なか卯では3月末まで無料券配布中

・はいからうどん(小)
・から揚げ2個

250円の「卵かけご飯定食」だけで
豪勢なモーニングに。

朝から幸せ(満腹)になると仕事の
スタートダッシュが違います。

2020年11月28日

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今日も今日とて新宿で映画鑑賞。
しかも『滑走路』のキャスト・監督の舞台挨拶つき。

腹ごしらえは、なか卯で唐揚げうどん。

唐揚げが出汁の旨味を吸収し、
唐揚げの油が出汁にコクを与えます。

うどんレボリューション、ご堪能ください。

2020年9月15日

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味噌汁は右側が御膳の正しい置き方って知ってましたか❓

左に置くのは仏様にそなえる時だそうです。

なか卯のお姉様が教えてくれました。

京都の太秦出身。

俳優が近所を歩いていることも当たり前。

学生時代、商店街を父親が歩いていると思って「お父さーん!」と手を振ったら山城新伍だったとか。

毎朝、そんな楽しいチョメチョメな話をしてからボクは出勤してます。

2020年9月21日

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なか卯で遅い朝食をとって出社。
卵かけご飯+はいからうどん、なんと250円。

ハロウィーンまで毎日続きます🎃

当面の目標は、他のライターさんをボクと同じ記事質にすること。

優秀な方が多く、ボクも勉強させてもらってるだけに、ハードルが高く、やりがいのある目標です。

なか卯に少し早く着くいたら、お姉さんがシフトに入るところ。

「うどん用意してね。お兄さん必ず頼むから」と、注文前から中国の学生さんに指示してくれる。

1日を気持ちよくスタートできると仕事のモチベーションも上昇。

新宿の朝は最高密度の秋晴れ。

「お兄さんはスカイブルーの服着たほうがいいよ」

なか卯のお姉さんは似合う服を見つけるため、パーソナルカラーの勉強をしてる。

人には四季の属性もあって、ボクは「冬」の人間らしい。

前職でアイドルに取材したときも「オーラがブルーですね」と言われた。

今日も青空のようにスタートします。

2020年9月28日

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なか卯から今週もスタート。

ご飯大盛りのときは「唐揚げ」
普通のときは「はいからうどん」

何も伝えなくても、お姉さまが察知してセットで付けてくれます。

お客様に聞くのではなく、
ひたすら観察する。

あ・うんの呼吸。
マニュアルにない接客の極意。

なか卯のお姉さんは京都出身。

「しんどい(キツイ)」
「えらい(大変だ)」

関西弁を使ったら中国の学生アルバイトさんに不思議な顔されるとか。

それでも毎日、ひとつずつ関西弁を教えてるらしい。今朝は「ほなサイナラ」

この攻めの姿勢、見習います。

2020年12月4日

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なか卯の唐揚げ、うどん無料のクーポンが終わり、通常の卵かけご飯に戻る。

お姉さん「私たちも寂しいの〜」と残念そう。

でも、これが普通の状態。当たり前への感謝を覚える12月4日。

なか卯さん、いつもありがとうございます。またクーポンお願いします。育ち盛りなので。

なか卯のお姉さんは今朝、パーソナルカラーの話。

ボクの肌は「冬」の属性で、淡色系が合ってるらしい。

自分では合わないと思っていたけど「お兄さんは薄いピンクの服が似合うよ」と言われた。明日は秒速5センチメートルの朗読劇なので、大昔に買った薄い桜色のシャツを着ていきます。

2020年12月18日

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なか卯のお姉さんが「スクラッチどうだった❓」と毎朝聞いてくるので昨夜、溜まってた分を削った。

「大吉のカレーとカツ丼あたりました」と伝えると「やったあ!!」とボクより大喜び。他人の幸せを自分の喜びにできる仕事は尊い。

「小吉の唐揚げばかりでした」と答えると「いいねー。小吉っていうとハズレみたいに感じるけど、わたしは”小さな幸せ”って思うようにしてるよ」

2021年1月1日

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あけましておめでとうございます🌅
新宿は雲ひとつない元日晴れ。
朝日がまぶしい。

なか卯のお姉さんは5日まで仕事。五円チョコのお年玉を頂きました🧧

正月気分はなくても昨日までと同じ当たり前を継続できるって尊い。美味しい朝ごはんに感謝です。

今日は夕方まで仕事して部屋の大掃除します。

2021年1月2日

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なか卯のお姉さんから今日は1万円のお年玉を頂く。

むしろ正月から営業してくれて、僕があげないと。今年も感謝のキャッチボール続けていきます。

このあとは箱根駅伝みながら仕事。弟の母校・青学の結果が気になって仕方ない。

「味噌汁の具ずっとナメコですね」と聞くと「もうすぐホウレン草、春は筍、夏はオクラ」と、なか卯のお姉さん。

「いつかの湯葉が美味しかったです」と言うと、「やっぱ関西人だね!」

京都出身のお姉さんは自宅でインスタントの味噌汁に乾燥の湯葉を入れるそう。

最高の具材なのでオススメです。

2021年4月15日

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なか卯のお姉さんからマスク頂いた。

僕の場合、店に入ってすぐ卵かけご飯が出てきて食べるのでマスクしなかったけど、まん延ナントカで入店時の着用が義務化。それ用に、わざわざ買ってくれた。

なか卯は冷たいお茶が出てくるけど、お姉さんは全員に「温かいお茶にする?」と聞いてくれる。

今朝はおじいちゃんが何かの持病の薬を飲もうとしていて「あれ?薬飲むなら水のほうがいいんじゃない?」と聞いていた。

この接客こそマニュアルに入れてほしい。均一なことをさせるのが研修じゃない。

2021年12月28日

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なか卯のお姉さんからカツ丼の無料券を頂いた。高カロリー、低タンパク、グルテン増し増し。けど、愛情たっぷり。心の健康食品。

なか卯でドヴォルザークの『ユーモレスク』が流れた。

「小学3年のピアノの発表会で弾いた曲なのよ」とお姉さん。幼稚園から高校まで習ってたらしい。

最近パソコンでシフト管理を始めたそうで、ブラインドタッチができないと嘆く。

「鍵盤とキーボードって勝手が違うんやな」と思った金曜の朝

2022年1月9日

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なか卯のお姉さんからお年玉。
仕事の合間に頂きます🍫

「常連」って何もしなくても来てくれるイメージあるが、お客様の心は変わりやすい。

いつも顔を合わせてるからこそ、ちょっとしたサプライズや気配りがうれしい。

なか卯で『オーバーザレインボー』が流れた。お姉さんは劇団員のとき新宿コマ劇場で早見優が主演した『オズの魔法使い』に出るチャンスがあったそう。

病欠のキャストの代役で誘われたが、横浜博覧会の仕事で断ったとか。後悔してないから凄い。ボクなら仕事休んでるわ。

そういう想い出の曲もある。

物腰の柔らかい丁寧なスタッフさんが入ったなと思ったら、なか卯の社長さんだった。最初、お客さんのフリをして来店し、お姉さんが気付かず、いつものようにマニュアルにないアドリブで接客。上司によっては怒られるが「お客様のことを考えて素晴らしい」と社長から褒められた。見ている人は見ている。

2022年3月16日

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鷄天がひとつ小さかったので、なか卯のお姉さんが一個多くサービスしてくれた。

接客マニュアルにないことをするのが、接客のはじまりです。

なか卯でいつも座るA-3の席にリクルートスーツの男の子がいた。

違う席に座ってお姉さんと笑いながら世間話していると、向こうで暗い顔して納豆定食を食べている。

ボクが店を出るとき「また、なか卯に来るときあれば使ってね」と、お姉さんがクーポン券を渡していた。就活生に満開の笑顔が咲いた。

なか卯の中国人スタッフの就職が決まり退職。1社だけ受けて一発で内定をもらった。高校2年から大学卒業まで、なか卯ひと筋アルバイト。離職の多い飲食店で6年間も続けたことが評価された。接客の挨拶も元気でスピードが早い。僕が席に着くとすぐに卵かけご飯を出してくれた。お姉さんが寂しがっていた。

2022年4月23日

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ありそうで無かった『親子カレー』。互いの良い部分を殺すかと思いきや、卵のマイルドさが🍛を援護射撃してる。カレーもうどんも定食も、なか卯が頭ひとつ抜けてる。ファストフード界のレオス・カラックス。

なか卯のお姉さんは「お兄さん夕方から雨だよ。自転車、気をつけてね」と挨拶してくれる。カツカレーを頼んだ外国人の方には「どこから来たの?」と話しかけ「ナイジェリア?遠くからお疲れ様です」と笑顔。雑談は文化。

2022年8月2日

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なか卯のお姉さんから頂いた。

今日は久しぶりにライティングに染まる日。

検索で1位を獲りたい、問い合わせを増やしたいと考える前に、なにが読者に「最適」かを熟考する。

か卯で卵かけご飯を食べていたらSMAPの『俺たちに明日はある』が流れた。久しぶりに聴くと歌詞が最高で沁みる。歌い手として特に凄いのが木村拓哉。パートによって、声の浮力と重力を使いわけている。

2022年8月11日

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なか卯のお姉さんから「仕事がんばってね」と頂いたスイカゼリー🍉

スイカは種が面倒なので食べないけど、ゼリーとかアイスは好きで助かる。これでまた良い記事が作れます。

なか卯のお姉さんによると、昨日の強風で洗濯して干したバスタオルが飛ばされ行方不明。ダイソーで買った330円のものでお気に入りだったらしい。

不思議なもので100均の300円商品って高級品に錯覚する。数字は思考の入り口にすぎない。

2022年10月4日

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なか卯のお姉さんから豆乳プリンを頂いた🍮

買い物がストレス発散の秘訣で、休みの前日にお菓子を買ってスタッフの皆さんに食べてもらうよう冷蔵庫に入れとくらしい。

なか卯のお姉さんがナスの煮物をレシピのとおり作ったら「美味しいけど京都人にはしょっぱすぎた」

次から醤油と麺つゆを半分にして生姜を入れた。

記事も同じで、書いてる途中、書いたあとに味見をして、読者にあわせて構成(レシピ)を変える。レシピ通りに作っても最適な記事はできない。

2022年11月4日

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なか卯のお姉さんから頂いたファンタメロンの差し入れ。ありがたく頂きます。

なか卯が珍しく混んでて時間かかるかなと思ったら、席に着くなり卵かけご飯が運ばれてきた。

お姉さん曰く「お兄さんが自転車から降りるの見えて準備してたの」

接客のプロはお客様と接する前から勝負する。文章も絵画も写真も手を動かす前の”見る力”が問われる。

なか卯は20時から深夜1時までテイクアウトのみ。そこから朝5時まで閉店。

お姉さんが自分のシフトを削って深夜勤務だった学生さんと代わるそうだ。「また貧乏生活が始まるよ〜」と笑っていた。

こういう人がお店にいて温かさで迎えてくれるから毎朝、通うんですよ。

俺は俺の仕事がんばります。

2023年1月17日

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「乾燥してるけど仕事がんばってね」と、なか卯のお姉さんから

自分のほうが接客業で声出すのに。うれしい心配り。冬のあったかさ。

2023年1月26日

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なか卯の「はいからうどん(小)」のクーポンが終了。明日から京風漬け物か唐揚げ1個に。冬の朝を味噌汁とダブルで温めてくれた。はいからさんが通る。

2023年2月3日

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「今日の唐揚げ、皮がパリパリっと揚がって美味しいよ」と、なか卯のお姉さん。

たった一言があるだけで、日常は何倍も美味しくなる。

言葉は魔法のふりかけ。

2023年2月14日

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なか卯のお姉さんから頂いた。
いつも頂いてばかりで、来月忘れないようにお返ししないと

2023年2月15日

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TRFの『寒い夜だから・・・』は小室哲哉が自転車を漕ぎながら5分で作曲したらしい。どんな天才やねん。

寒い夜は「けつねうどん」が食べたくなるのが関西人(誤字ではない)

なか卯のお姉さんから頂いたカツ丼の無料券と合わせて。冬はあったかい。

2023年2月21日

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「私がいちばん食べたいと思う唐揚げを選んだよ」と、なか卯のお姉さん。世界にひとつだけの朝ごはん。

仕事で書くノウハウ記事も、今後はAIが書くものと共存しながら、もっと自分を盛り込んでいい。

2023年3月29日

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なか卯のお姉さんにもらったカツ丼の無料券に、はいからうどんを注文。

散々お世話になったクーポンのサービスは今月で終了。一品少なくなるけど、もちろん4月からもお世話になる。

AIや便利なツールやサービスがどんどん台頭するけど、必ず最後に愛は勝つ。

2023年4月20日

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京都の太秦に帰省していた、なか卯のお姉さんからのお土産。

粒砂糖が散りばめられている『胡月』の千寿せんべい。

倉木麻衣の『Time after Time花舞う街で』が流れてくる。

2023年4月24日

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なか卯の卵かけご飯に京風の漬物がつくようになった。250円から290円にアップ。お姉さんや他の常連さんも気づかないほど移り変わりが激しい。

上京した10年前は朝定食が150円だった。この10年間で世界は140円分、変化している。

2023年5月2日

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なか卯に入ると挨拶がなく、お姉さんが黙々と作業をしていた。今日は元気ないのかな?と思ったら、ボクの自転車が見えたので、炊き立ての白米と古いご飯を入れ替えてくれていた。

瑞々しくて米が踊るようで、卵をかけるのがもったいなくなる。元気な挨拶ばかりが接客じゃない。

2023年5月16日

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なか卯のお姉さんによると朝の7時半に2,000円近くする鰻重の特盛を食べた豪快なお客さんがいた。作り慣れないからマニュアルを見ながら作ったらしい。よほど良いことがあったのか、今日は大事なイベントがあるのか。卵かけご飯の約10倍の値段ではないか。今日は白米が炊き立てだから、さらに美味しい。

お姉さんから「箸の持ち方キレイだね」と言ってもらった。

意識していないし食えりゃあ何でもいいという考えだが、食事を提供する側は嬉しいらしい。先日インタビューした野球監督も所作が影響するとおっしゃっていた。

2024年2月12日

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なか卯の新商品『けいらんうどん』
京風うどんに親子丼の具材を乗せたもの。
今朝お姉さんも初めて作った。

メニューを作っててこんなに美味そうだと思ったのは初めてらしい。女子高生のようにキャッキャキャッキャ嬉しそうに話してくれた。近いうちに食べに来ます。

なか卯の新メニュー「けいらんうどん」
親子丼の具材を昆布出汁のうどんとフュージョン。うどんに甘さを加える離れ業。関西人全員が好きな味。ぜひ食べてください。

セットも親子丼。親子丼まみれ。どんだけ親子丼好きやねんって夕食。

お姉さんから食後のデザートにココアのマドレーヌ頂きました。

2月10日が旧正月の中国。なか卯は留学生のアルバイトが多く人手が足りない。

ある料理家が言っていた。チェーン店より美味しい料理を作るのは簡単。でもあの原価に抑えろと言われたら無理、人を雇って経営する自信もない。チェーン店を馬鹿にしたことはない。料理で経営ができることを尊敬している。

2024年2月14日

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なか卯の新メニュー『海鮮アボカド丼🥑』
いまPOPを貼り替えたばかり。

昨日は疲れてできなかったと、お姉さん。食材の解凍が終わって、これから仕込み。店舗業務は日中より準備が大変。

来週、食べに来ます。

2024年2月21日

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『PERFECT DAYS』の平山はルーティンではなく毎日小さな旅をくり返す。旅とは風景を捨てること。平山は今の風景を味わう。

なか卯で朝食を食べ、ゴッホのひまわりに挨拶し、『君の名は。』の交差点を渡り、都庁を見上げて仕事場へ。毎日が違う味、違う景色、違う冒険。

ゴッホの『ローヌ川の星月夜』が描かれた僕のiPhoneケースを見たなか卯のお姉さん。昔、上野でシャガール展を見た思い出を話してくれた。「よく分からないものを観に行ってよく分からなかった」。それがアートの価値を最も高めること。理解することは飽きること。分からないものがいちばん凄い。

2024年3月19日

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なか卯の春丼。新作メニュー『菜の花の親子丼』。うどん&京風の漬物を足して790円。

菜の花のシャキシャキが加わり、おいしさの界王拳。親子に親戚が加わった正月みたいな丼。アレンジメニューは失敗が多いけど、これは近年最大のホームラン。

菜の花のペペロンチーノが作りたくなった。

2024年3月28日

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朝勤、昼勤のスタッフが来れなくなり、なか卯のお姉さんが大忙し。代わりの手配、後片付け。「お兄さんだからお願いするけど、ちょっとご飯待ってもらってもいい?」

当たり前が当たり前であるために、飲食店は当たり前じゃない日々と格闘している。

花粉症の対策に飴ちゃんを頂いた。

2024年4月3日

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なか卯の新メニュー『山ワサビざるうどん』大盛り500円。さっきNetflixで見た深夜食堂の「ポテトサラダ」を追加。

お姉さんいわく、山わさび単体でもパクパク食べられる。

気温が上がるほど美味しく感じるメニュー。天候や環境は最大の旨味調味料。

昨日、師匠から山わさびの憶い出を聞いたので食べたくなった。誰かの食体験は追体験してみたくなる。物語の調味料、憶い出という器。

2024年4月5日

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『深夜食堂』第六夜、カツ丼。自分で作るのは手間がかかるので困ったときの、なか卯。590円。

トンカツ定食が大好きで、いつもそっちに行ってしまうので、外でカツ丼を食べる機会は数年に一度。こんど行きつけのトンカツ屋さんでカツ丼を頼んでみよう。

2024年6月18日

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「あら今日はリュックにお洋服きせてるのね」と、なか卯のお姉さん。お菓子を頂きました。なか卯の常連のおじいちゃんは帝国ホテルやヒルトンホテルなどでフレンチのシェフをしていた。初めて入る飲食店を決めるとき、外から女性客が多いかを見る。男は安くて早いかなど味度外視でも選ぶが、女性客が多い店は美味しい確率が高いとか。

ちょうど隣のカップルが食べていて「美味しいですよ」と微笑んでくれた。

退店するとき「ありがとうございました。お幸せにねー」とお姉さんが声をかけると、ふたりとも大爆笑していた。

会話したことなく笑顔でお辞儀だけ。今朝はベーコン定食が材料切れで「納豆でも目玉焼きでも似たようなものでいいよ」

「値段が違うから」と返金するお姉さん。

「俺が食べさせてもらってるんだから、食べる人より作る人が優先。それがお店」

唐揚げ定食になった。

2024年6月21日

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なか卯のお姉さんから頂きました。
「最近ハマってて、周りの人みんな美味しいって言ってるのよ。仕事の休憩にどうぞ」

雨を爽やかにしてくれます。

3日前に頂いたお菓子のお礼も言い忘れて、自分のことで余裕がなくなってしまってる。月曜の朝ごはんにお礼言います。

10時前なか卯に入ると、常連のおじいちゃんから「今日はいつもより遅いね」

卵かけご飯定食を運んでくれたお姉さんから「今日はいつもより遅いのね」

此処には僕の「いつも」があり、僕の「いつも」を見てくれるひとがいる。

2024年8月12日

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たまにある激混みの朝に、なか卯の『冷やし坦々そば温玉のせ』。720円。うどんは10年前からあるが、蕎麦は去年からのルーキー。

卵かけご飯じゃないことに「おおおおお!えええええ?」と驚くんお姉さん。「King Gnuのせいです」

中毒性、依存性、麻薬性の三感王。想像の100倍おいしくてビビった。

なか卯のお姉さんによると、昨日は午前中だけで4人が食べに来た。新宿の店舗は蕎麦よりうどん派が多くまったく売れないので異例とのこと。

「もしかして井口さんの?」と訊くと全員が「そうなの」

すげえ影響力。明日、冷やし担々パスタ温玉のせ作ります。

2024年9月30日

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なか卯、今日が最後の朝ごはんでした。上京して10年、毎朝お姉さんが明るく話しかけてくれ、お菓子の差し入れをくれ、一日のスタートを送り出してくれました。卵の黄金がご来光、お米の一粒一粒がダイヤモンド、味噌汁が行進曲。これ以上の元気玉はありません。お世話になりました。

2024年9月30日

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未練タラタラの男なので、なか卯。お姉さんに泣かれてしまった。卵かけご飯と同じくらい好きな「親子丼×はいからうどん」のコンボ。ゴッホ《ひまわり》とモネ《睡蓮》が乗った一膳の宇宙。

「朝に出汁とったばかりなので美味しいよ」と、いつものお姉さんで良かった。また逢う日まで。

新宿おすすめモーニング

新宿うどんの名店

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『月とクレープ。』に寄せられたコメント

美味しいご飯を食べるとお腹だけではなく心も満たされる。幸せな気持ちで心をいっぱいにしてくれる、そんな作品。

過去を振り返って嬉しかったとき、辛かったときを思い出すと、そこには一生忘れられない「食」の思い出があることがある。著者にとってのそんな瞬間を切り取った本作は、自分の中に眠っていた「食」の記憶も思い出させてくれる。