食いだおれ白書

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木暮茶寮〜伊香保温泉、清流を食べる日本一のうどん

木暮茶寮〜伊香保温泉、日本一のうどん

伊香保温泉は、名湯と石段と、うどんの町である。群馬県は、全国屈指のうどん消費量を誇る「うどん県」。ひもかわ、水沢うどんが有名だが、推したいのが「伊香保うどん」

これまで旅先ごとにうどんを口にしてきた中でも、日本一に挙げたいのが創業49年の創業「木暮茶寮」。石段を下りた先に、うどんの楽園が待っている。

2019年の木暮茶寮

6年前、埼玉に住む登山の先輩と榛名山に登った帰りに寄り、伊香保うどんの美味しさに感動した。名湯「黄金の湯館」の目の前、道路を挟んだところにある。湯上がりの一杯に伊香保うどんを選び、これが大成功だった。今回も同じく、湯上がりの一杯。

木暮茶寮〜伊香保温泉、日本一の伊香保うどん

木暮茶寮の立派な長屋門は、江戸末期の豪商の屋敷を受け継いだ建築で、柱は太く、梁は堂々としている。昭和39年の新潟地震で崩れた屋敷の一部を、創業者の木暮さんが譲り受けた。

設計は小布施の竹風堂を手がけた建築家・山本勝巳。門は釘を一本も使わず、日本古来の工法で建てられた。美ヶ原高原ホテルなども手がけた有名建築家にダメ元で依頼したところ、まさかのOKをもらったという。

木暮茶寮〜伊香保温泉、日本一の伊香保うどん

6年前と変わらず、やさしい木漏れ日がそそそがれ、小鳥が元気に歌っている。

木暮茶寮〜伊香保温泉、日本一の伊香保うどん

木暮茶寮が面白いのは、メニューに松・竹・梅とあり、「松」が最も安いという逆転の妙。伊香保「竹」が似合う温泉街だが、今回は贅沢に「梅」を注文した。

木暮茶寮〜伊香保温泉、日本一の伊香保うどん
木暮茶寮〜伊香保温泉、日本一の伊香保うどん

竹久夢二の複製画が、しずかにこちらを見つめている。すぐ裏は夢二記念館。うどんとアートの距離がこれほど近い土地も珍しい。

木暮茶寮〜伊香保温泉、日本一のうどん

ツヤ、光沢、きらめき。山の清流を編んでそのまま盛ったような一膳。

天ぷら。これがまた素晴らしい。海老は厚く、野菜は甘く、衣は薄く軽やかに。うどんと同じツユで食べるので、麺と交互に口を運ぶと、キャッチボールのように調和する。

伊香保うどんは「うどんの形をした風景」であり、「清流を料理してください」と無茶を言ったときに返ってくる正解が、これなのだ。

名湯・名建築・名うどん。伊香保温泉「木暮茶寮」でしか味わえないもの。木暮茶寮は、名湯の町に息づく、うどんという文化の結晶である。

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