
フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》に出会ったあと、マウリッツハイス王立美術館を後にした。帰り道、ふと目に留まったのが、デン・ハーグにあるラーメン屋、麺処『匠』。
「郷土料理も食べていないのに、ラーメンなんて食べてる場合か」と自分にツッコミを入れながらも、「デン・ハーグでラーメン」という体験のパワーワードに抗えず、気がつけば店の中にいた。

麺処『匠』は、アムステルダムをはじめ、ドイツ、スペイン、チェコ、ベルギー、イタリア、オーストリアなど、ヨーロッパ各国に展開しているラーメンチェーン。

オリジナルの麺を札幌より直送、オランダに到着してから熟成させる。スープはゲンコツ、鶏ガラ、香味野菜、上質の昆布等を特注の寸胴鍋で8時間ほど炊き込む。

注文したのは最安値の「鶏そば」。それでも16.5ユーロ(2,700円)なので、超高級料理。

日本の「道の駅」で食べるラーメンを思わせる、どこか懐かしいクオリティ。ちゃんと日本の味を再現。ヨーロッパ人向けにアッサリ味なのが嬉しい。コッテリは日本で十分。欧州の人たちに、きちんと和の味を届けている。素晴らしい一杯だった。
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『月とクレープ。』に寄せられたコメント
美味しいご飯を食べるとお腹だけではなく心も満たされる。幸せな気持ちで心をいっぱいにしてくれる、そんな作品。
過去を振り返って嬉しかったとき、辛かったときを思い出すと、そこには一生忘れられない「食」の思い出があることがある。著者にとってのそんな瞬間を切り取った本作は、自分の中に眠っていた「食」の記憶も思い出させてくれる。