食いだおれ白書

世界を食いだおれる。世界のグルメを紹介します。孤高のグルメです。

大久保に吹くヒマラヤの風、ネパールツロのダルバート

ネパールツロ、ダルバート

大久保駅南口を出ると、サラリーマンたちが波のように押し寄せる。そんな喧騒を抜けて数歩、ビルの隙間にぽつんと佇む「ネパールツロ」の看板が目に入る。まるでネパールの山岳地帯に点在するロッジのように、そこだけぽっと温かい灯りがともっている。

ネパールツロ、ダルバート

2016年2月にオープンしたこの店は、東京にいながらヒマラヤの気配を感じさせてくれる。扉の固さも、どこか東京離れしている。

ネパールツロ、ダルバート

登山をしていた頃、山へ向かう前夜や、登頂のご褒美として、ここでダルバートを食べた。エヴェレストのベースキャンプで毎日口にしていたダルバートは、ただの食事ではない。高地の極限状態で生きるための、地上最強のパワーフードだ。ダルバートを制する者は、カレーを制す。そんな言葉を何度も胸に刻みながら、この店の扉を開けた。

ネパールツロ、ダルバート

注文するのは決まっている。カナセット650円。銀のプレートに描かれる円。ライス、ダル(豆のスープ)、タルカリ(スパイスで炒めた野菜)、アチャール(漬物)、サグ(青菜炒め)、サラダ、パーパド(豆粉のクラッカー)、チャトニ(ペースト状の調味料)、そしてチキンカレー。ひと皿に宿るのは、地球であり、太陽であり、宇宙そのもの。目には見えないが、この料理には確かに大地の力が込められている。

ネパールツロ、ダルバート

スプーンを使わず、指で食べるのが本場流。だが、スプーンでライスとダルを混ぜ、そこにカレーを少しずつ加える。ダルの滋味深い豆の甘みとスパイスの香りが口の中に広がり、カレーの濃厚な旨みがそれに重なり合う。アチャールの酸味とタルカリのホクホクした食感が交互に現れ、一口ごとに味が変化する。食べるほどに、体の奥からエネルギーが満ちてくるのがわかる。気づけば、顔中に汗をかいている。そして、必ずご飯をお代わりする。それが、ここのダルバートを食べるときのルール。

ネパールツロ、ダルバート

そして、たまにやるのが、追いモモ。そう、 餃子である。 これはもう、やるしかない。もちもちの皮に包まれたスパイス肉汁爆弾をチャトニにつけて パクリ 。うん、 うますぎる。 これがネパールの餃子。もちもちの皮、肉汁が口の中で爆発する。 ハッピーエンド。大久保の小さなネパールで、少しだけエヴェレストの空気を感じさせてくれる。登山のための儀式だったので、山をやめてから一度も訪れていない。どんな理由を作って行こうか。いや、理由なんかダルバートを食べたあとに作ればいい。

ダルバートの憶い出を綴ったエッセイ集

月とクレープ。Amazon  Kindle

月とクレープ。寄せられたコメント

美味しいご飯を食べるとお腹だけではなく心も満たされる。幸せな気持ちで心をいっぱいにしてくれる、そんな作品。

過去を振り返って嬉しかったとき、辛かったときを思い出すと、そこには一生忘れられない「食」の思い出があることがある。著者にとってのそんな瞬間を切り取った本作は、自分の中に眠っていた「食」の記憶も思い出させてくれる。

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