
故郷に美味しいイタリアンがあると、つい自慢したくなる。それが人情というもの。
奈良県桜井市にある「Buono(ボーノ)桜井店」は、そんな誇らしさを感じさせてくれる。
温もりのある木の梁、柔らかい光を放つランプ、吹き抜ける桜井の空気。すべてが「おかえり」と言ってくれる。

オープンは、2022年とコロナ禍の真っ只中。それでも、この場所には「人と人をつなぐ力」が宿っていた。困難を乗り越え、今も桜井で営業している。

1階がベーカリー、2階はカフェとレストラン。最初に目に飛び込んでくるのが、堂々たるナポリ式の石窯。「ここで焼かれるピッツァは間違いない」と確信する。その予感は、裏切られることなく、むしろ超えてくる。

パンはずっしりとした歯応えで、どれもが主役級。ヨーロッパの朝を思わせるような香ばしさに満ちている。

2つも買えばお腹いっぱいになる。石窯ピッツァと天然酵母パンがコンセプト、食材は大和野菜を使う。

添加物がないので1歳の甥っ子もパクパク食べる。

パンを選んだら甥っ子や姪っ子は弾むように2階へ。階段を上がると、笑顔が広がるダイニング空間が待っている。

ドリンクメニューが充実しており、カフェ類、ソフトドリンク、アルコール、珍しいものでは「セロリとリンゴと奈良野菜ジュース」もある。青汁のような味で、桜井の大地が香る。ゴッホの土の絵を見るよう。690円。

カプレーゼは、トマトとモッツァレラが美しく並べられ、淡く上品な味つけ。オトナ向けと思いきや、子どもたちも大好きで、奪い合うようにつまむ。

生ハムは塩分が控えめで優しい味。子どもたちに大人気。

ベーコンのグラタンは、ホクホクのジャガイモと濃厚なホワイトソースが絡み合い、まさに至福の一皿。これも、グラタン好きの子どもたちのチョイス。今度は赤海老のグラタンも食べてみたい。

ボーノ自慢のピッツァ。ハーモニーが絶妙。生地はあくまで土台。主役はトッピングの旨味。

ボーノの最高傑作、「桃のクアトロフォルマッジ」2350円。桃のジューシーさ、甘味がチーズの旨味と合わさり、スイーツのような甘美が広がり、かつ食べ応えもあってメイン料理になる。子どもたちも大好きなので、来るたびにシェアしたい。

カルボナーラ1580円も、クリーミーで滑らか。クセが強くなく、子どもたちも好物。

ゴルゴンゾーラのクリームペンネ1580円は、ほんのり青カビチーズが香る。イタリアでは家庭料理でマンマの味。飲食店に置いてあるところは少ないので嬉しい。
ボーノが本格的なイタリアンであることはメニュー名にもあらわれる。「ペスカトーレ(漁師)」ではなく、きちんと「ペスカトーラ(漁師風の料理)」と表示。イタリアで「ペスカトーレください」と言うと、「漁師をください」になり、「なに言ってんの?」となる。料理名は「ペスカトーラ」で、ボーノは正しく表示している。

2025年7月25日(金)、12年住んだ新宿を離れ、桜井に里帰りした。その夜、弟が早く仕事を切り上げて「おかえり会」を開いてくれた。
本格的な味なので値段は安くない。だが、年齢に関係なく幸福な味わいができる。真剣に良いものを追求すれば、必ず届く。それを教えてくれる。
姪っ子や甥っ子が成長するたびに、ここに一緒に来たい。
ボーノは、「ただのレストラン」ではなく、「家族の記憶が育つ場所」である。
営業時間
- 1階ベーカリー:9:00~21:00
- モーニング:9:00~11:00
- ランチ:11:00~17:00(L.O 16:30)
- カフェ:9:00~21:00(L.O 20:30)
- ディナー:17:00~21:00(L.O 20:30)
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