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食いだおれ白書

世界を食いだおれる。世界のグルメを紹介します。孤高のグルメです。

北海道グルメどうでしょう〜札幌・北広島・新千歳空港

エスコンフィールドHOKKAIDO

エスコンフィールドHOKKAIDO

札幌ではなく北広島という小さな町に日本一の野球場がある。人口5万6000人。生まれ故郷、奈良県桜井市の田舎より少ない。石狩平野の中央に位置し、明治の開拓で広島からの入植者が集落をつくったことから北広島になった。2024年は野球場と美術館がセットの旅。年末にプレミア12、来年の秋にアートの本を出版する。

JR千歳線

羽田空港から新千歳、エアポート快速に乗って北広島駅に着いたのは13時20分。野球のプレイボールは18時。腹が減っては戦はできぬ。

北広島

北広島駅

北広島駅

旅の迎えメシはラーメンと決めている。旅先で最初に口にするのはラーメン。その街の色がスープに映る。しかし、ここは北海道。北広島にも何軒かあるようだが、せっかくなら鮨を食べよう。『将太の寿司』にドハマりしている最中だ。

海転寿司シーランド

海転寿司シーランド

北広島駅からボールパーク通りを歩くと『 海転寿司シーランド』が見えてくる。

海転寿司シーランド

お客さんは1組だけ。土木工事の作業者で昼休憩のようだ。お客さんが少ないからか寿司は回っておらず、紙に書くか口頭で注文する。

海転寿司シーランド

7つのネタを注文した中で三銃士、その中でも最強が生サバ。440円。ぷりっぷりシャキシャキ、甘みがグイグイ切れ込んでくる伊藤大海のスライダー。追いロジンしたかった。

海転寿司シーランド

イキの良さとフレッシュ。弾ける食感の活ホタテ440円。万波中正や水谷瞬の躍動。

海転寿司シーランド

甘味のオーケストラ、頼れるストッパー田中正義。ジャスティスのイクラで締め。390円。他にも逸品揃い。

海転寿司シーランド

海転寿司シーランド

海転寿司シーランド

海転寿司シーランド

海転寿司シーランド

完璧なゲームセット。日本ハムの勝利を確信する(実際に勝利)

KUBOTA AGRI FRONT CAFE

KUBOTA ARI FRONT

エスコンフィールドが開場する16時までカフェへ。球場に隣接する農場見学施設と一体。

KUBOTA ARI FRONT

日本ハムや対戦チームのファンで集う。店員さんも日本ハムのユニホームで応援。

KUBOTA ARI FRONT

とうもろこしロールケーキと珈琲セット950円。スープ皿みたいな巨大な珈琲カップ、14年前にニューヨークで見た。とうもろこしロールケーキは淡雪のようなやさしさ。本当のスイーツは甘さを主張しない。そこにSweet Emotionがある。

札幌

駅馬車(新札幌)

駅馬車(新札幌)

野球観戦のあとは新札幌駅の直結アークシティホテルのお世話になった。5時に目を覚ます。ホテルの部屋にいても北海道は寒い。風邪をひきそうになる。布団を深くかぶって二度寝。前日の疲れで8時半まで寝過ごしてしまう。今日は予定と移動がいっぱい。慌てて顔を洗ってモーニングへ。新札幌駅の直結。大きな日本ハムの看板が目印。

駅馬車(新札幌)

駅馬車の彫像が旅人を癒す。元気な女性ふたりがやっている。店内はアメリカのオールディーズ。50年代の歌。チャック・ベリーの『 リトル・クイーニー』が流れていた。

駅馬車(新札幌)

ワンコインのモーニング500円。欲しいのは旨さよりやさしさ。それが美味しさになる。

ピッツェリア ダ マッシモ

ピッツェリア ダ マッシモ

JR平和駅

一宿の世話になったアークシティホテルをチェックアウトし、11時1分の千歳線で隣駅の平和駅に向かう。歩いて40分なので徒歩圏内だが、気温30度の真夏日。北海道の一駅の距離はバカにならない。東京ならSMAP『ひと駅歩こう』のように気軽だが、北海道のスケール感は外国だ。東京の暑さに比べればマシだが、地元の人にとっては夏バテしているらしい。

ピッツェリア ダ マッシモ

ピッツェリア ダ マッシモは2010年12月の創業。日本ハム加藤豪将が超のつく常連。多いときは毎週のように通うとか。

ピッツェリア ダ マッシモ

カウンター席6席と、テーブル席が2つ。話好きのご主人は日高の浦河町の出身。マキバオーの牧場で有名だ。本来はフルコースのイタリアンをやりたかったが、一人では大変なのでピッツァの専門店にした。日本でいちばん有名なピッツェリアである中目黒ダ・イーサの店主の先輩。1カ月半ほど一緒に働いた。

ピッツェリア ダ マッシモ

ピッツェリア ダ マッシモの特徴は生地。24時間、低温で寝かせる。昔ながらのナポリのやり方を踏襲。冷蔵庫がない時代、余ったピッツァを新しい生地に練り込んでいた方法。お店をオープンしたてのときは他の店と同じように鮮度のある生地だったが、全然お客さんが来ないので余ったピッツァを翌日、賄いで食べる。そのとき長期で保存が効く生地を思いつき、実際10日経って食べたほうが美味しかった。他店のピザ生地はじっくり窯で焼くが、ピッツェリア ダ マッシモは焼く時間が短い。

ピッツェリア ダ マッシモ

注文したのはマリナーラ1100円と三ツ矢サイダー300円。マリナーラはマルゲリータより古い。魚介ものせない。チーズがないから人気がない。ただし、チーズを焼かないので腐りにくい。マリナーラはパスタでよく作る。イタリアの漁師を支えた文化なので、ぜひ家で作って欲しい。

生地はパリパリ派だが真髄を味わうならモチモチ。マリナーラは先にソースの旨味を提供し、そのあと生地の弾力とお友達になれる。噛めば噛むほど旨味が溢れる。美味しい白米に似ている。ソースより生地。一緒に食の旅をしてくれる。そんな生地。

らーめん信玄

らーめん信玄

北海道グルメの締め。美術展でヘトヘトになったあと歩いて30分。炎天下を征く先に『らーめん信玄』がある。もう10年くらい前にGReeeeNのHIDEがブログで紹介していた。憧れのお店。

らーめん信玄

16時22分。店員さんは4人。全員20代。すでに1人並んでいた。店内はガンガンに冷房がきいて涼しい。生き返る。

L字のカウンターのみ。次々にお客さんが入店。すごい人気だ。松任谷由実の『守ってあげたい』が流れていた。

らーめん信玄

6種類の中から最もスタンダードな信州をチョイス。950円。餃子、ライスとのセットメニューは土佐(あっさり塩)のみ。 最初の一口目は辛味噌の越後にすればと後悔。物足りない。しかし、箸を進めるごとにうまさが増す。甘い信州味噌がまろやかで上品なスープ。疲れを包み込んでくれる。まさに守ってあげたい。どこかで食べた味。そうだ。かつて信州の雪山、たぶん八ヶ岳を登ったあとに食べた味。懐かしさと未来への前進。これで札幌に悔いはない。

新千歳空港

雪印パーラー

雪印パーラー

新宿へ発つ前の最後のスイーツ。らーめんのデザートは。搭乗ゲート前の雪印パーラー

雪印パーラー

惜別ソフトクリーム。空港限定の「空港ソフト」と子どもの頃に飲んだ雪印コーヒーミックス。甘さ抑えめ、ミルキーなバニラ。ちょうど良い塩梅。少し苦味を感じる雪印コーヒーとの相性や良し。翼を広げられるソフトクリーム。

恵比寿ソルティーモード〜日本一のダルバート

コロナ禍により飲食店は大きく変わった。それまでは昔の名前や場所が良ければ味が悪くてもサービスが酷くても来てくれた。コロナというリトマス試験紙によって左うちわの店は潰れ、本物だけが残るようになった。コロナとは間違い探しであり、答え合わせの時間。そんな過酷な中で別次元の料理に生まれ変わったお店がある。東京の恵比寿にあるネパール料理『ソルティーモード』

2019年のダルバート

2019年のダルバート

これが2019年11月23日に行ったときのダルバート。日本でいう味噌汁のような家庭料理で、日本語にすると「ひきわり豆のスープとカレー」。本格的なダルバートについてエヴェレストでの食の思い出を綴った『月とクレープ。』で詳しく書いたので読んでほしい。

月とクレープ。Amazon  Kindle

ご主人はイギリス生まれのネパール人マダンさんはネパール人。厨房を一人で切り盛りするから団体で行くと時間がかかる。令和元年の時点ではソルティーモードのダルバートはイマイチだった。もう行くことはないと思った。しかしコロナ禍を経てソルティーモードは食べログ100名店になっていた。何があった?と思い、5年ぶりに訪れたダルバートがこちら。

2023年のダルバート,ソルティーモード

2023年のダルバート

全然、別次元の味に進化していた。写真を並べてみよう。

左が2019年、右が2023年

見た目から別物。食卓を囲んだ全員が感動して全員がお代わりするほどのレベルに美味しくなっていた。ネパール感がない別のカレーに進化。ネパールの人たちもレシピを教えてくれと言うだろう。それほどダルバートの究極系に進化している。ぜひ進化系ダルバートを堪能してほしい。1300円。損はさせない。

月とクレープ。

月とクレープ。Amazon  Kindle

エヴェレストで毎日食べたダルバートの思い出も読んでください。

ナングロガル〜新大久保のネパール料理

ナングロガル〜新大久保のネパール料理

ネパールに二度行き、エヴェレストのベースキャンプで1ヶ月間生活していた関係で、おすすめのネパール料理を訊かれることが多い。必ずお薦めしているのが「ナングロガル」。東京の新宿区・新大久保にある。アパートから徒歩10分。日本人には少しクセが強いが、ネパールの味が楽しめる。新大久保は「リトル・カトマンドゥ」と呼ばれるほどネパール人が多い。ナングロガルも多くがネパール人の移民の方々。

ナングロガル〜新大久保のネパール料理

大久保通りの少しわかりにくい店の階段を登ると3階にナングロガルがある。ナングロガルは「竹の家」の意味。

ナングロガル〜新大久保のネパール料理

店内に入ると竹の飾り物がナマステ。マサラ(スパイス)のエスニックな香りがフワッと迎えてくれる。あゝカトマンドゥに帰ってきた。懐かしさで涙が出そうになる。腰を痛めて登山をやめ、もうネパールに行くことはないだろう。瞼の中にカトマンドゥのクラクションと喧騒が浮かぶ。

ナングロガル〜新大久保のネパール料理

チキンのダルバート650円。日本でいう味噌汁のような家庭料理で、作る人によって味が変わる。日本語にすると「ひきわり豆のスープとカレー」。大皿にチャーハンのような半円のバート(白米)を盛り付け、アツァール(辛口の漬物)、タルカリ(じゃがいも、にんじん、鶏肉などを炒めたおかず)、別皿にダル(豆のスープ)とスパイスで作ったカレー。三つの皿がテーブルに並ぶ。これがダルバート。2024年6月9日『月とクレープ。』という電子書籍を出版した。

月とクレープ。Amazon  Kindle

エヴェレストでの食の思い出を綴ったエッセイ集。ぜひ読んでほしい。エヴェレストで食べたダルバートに最も近い味。5年ぶりに訪れたが、少し味が変わっていた。でも美味しい。ネパール人も味の好みが変わっているかもしれない。日本人も昭和から平成以降は味覚が大きく変わっている。日本酒の杜氏さんが言うには「脂っぽいもの。辛いものを好むようになり、あっさり味に満足しにくい。刺激がないと物足りなくなっている」。昭和に比べて食生活が豊かになり、肉やスナック菓子を多く食べるようになったからだ。

ナングロガル〜新大久保のネパール料理

あったかいネパール・チャイ。懐かしい。毎日エヴェレストで飲んだ。これも『月とクレープ。』の思い出で書いているので読んでほしい。

ナングロガル〜新大久保のネパール料理

締めは日本人も大好きなネパールのスープ餃子「モモ」600円。ミトチャ(美味しい)。店を出るときはネパール人の店員さんに「ダンネバード(ありがとう)」と告げよう。

月とクレープ。Amazon  Kindle

新宿おすすめ飲食店

山形・山寺立石寺グルメ

蔵王の樹氷

蔵王樹氷

名山に囲まれた山形は野方、里方に対して「山方」と呼ばれ、そこから山形になった。山形に来るのは2022年2月。吹雪く蔵王ホワイトアウトのなか登頂して以来。赤湯温泉で食べた龍上海のラーメン、大和屋旅館で飲んだ日本酒・十四代の衝撃は今も忘れない。下山後には沈む夕陽を見ながら芋こんにゃくを食べた。

十四代

2年経った今は登山もやめ、日本酒ではなくワインの研究の日々。まずは過去の回想から始めたい。

赤湯ラーメン龍上海

赤湯ラーメン龍上海

訪れたのは2022年2月なので現状はわからないが、きっと今でも行列を作っているだろう。昭和33年の創業、現在は三代目。

赤湯ラーメン龍上海

赤湯からみそラーメン。生涯でこれほど美味しい味噌らーめんを知らない。船堀にある『大島』の黄金の味噌ラーメンを上回る。赤湯産の唐辛子を使った「辛みそ」。辛味噌を混ぜなくても出汁と麺だけで勝負できる。旨味の雪合戦、いや旨味のスノーモンスターとでも呼ぼうか。口においしく身体が温まるだけでなく本当にすごいラーメンは街と一体化している。カップ麺もあり東京にも支店があるが、半分以下のおいしさ。本当に美味しいラーメンは東京では食べられないことを実感した。

山寺立石寺

山寺立石寺

令和6年7月11日。橋本真也の命日。旅の目的である山形美術館が開くまで松尾芭蕉で有名な山寺立石寺に向かった。JR仙山線。仙台と山形を結ぶ。

山寺駅は山形から20分。古風は残しているが外国人の観光客も多く、山梨の中央線と違って綺麗に整備されている。

8時の開門まで15分以上ある。曇り空で涼しい。助かった。駅の看板には奥之院まで往復2時間とあった。

山寺立石寺

山寺立石寺松尾芭蕉の『おくの細道』に登場する。最も有名な句のひとつ「閑さや岩にしみ入る蝉の声」 を詠んだ場所。

山寺立石寺

8時の開門とともに三百円を払い入山。芭蕉が訪れたのは元禄2年(1689年)7月13日。同じ時期だ。

山寺立石寺

日々の運動量ゼロの肥満に鞭打ちながら登る。曇っていて助かった。晴れていたら倒れている。それにしても何という潤しさ、瑞々しさ。

山寺立石寺

芭蕉が詠んだ場所。そのときは夕暮れ。早朝に蝉の声はなく小鳥の鳴き声が響く。晴れていればミンミンゼミが鳴く。聞こえてくるのは川のせせらぎ。小鳥の鳴き声、境内を掃くホウキの乾いたあと。瞳を閉じて想像の翼を広げ、耳をすませば芭蕉と時空を超えたキャッチボールができる。この山の音だけで十分。大切なのは今。心の中に芭蕉が見た風景はある。閑かさや 岩に沁みいる 山の声

帰りは枝垂れ紫陽花がサヨナラを言ってくれた。さあ、朝メシだ。

対面石(だしそば/芭蕉団子)

朝ごはんは蕎麦を食べたい。山寺立石寺のように崖に聳り立つ。

食堂・対面石。朝8時半から営業してくれている。ありがたい。

川の流れを見ながらの朝食。ちょうど雨が降ってきた。

ラ・フランス100%のジュースで喉をうるおす。

味噌味の「芭蕉団子」。甘さが登山の疲れを癒してくれる。

蕎麦でいちばん好きかもしれない「だしそば」。旅先で野草を摘んで畑から野菜を採ってお茶漬けにしたような。「だしそば」は旅の味がする。東京でも食べたことはあるが、やさしさが違う。最大の調味料である空気が違う。千八百円の豪華な朝食。

駅の途中の茶店ラ・フランスのソフトクリームを買った。これにて登頂。

栄屋本店/山形市(冷やしラーメン)

栄屋本店(冷やしラーメン)

山形といえば冷やしラーメンの発祥の地。「だしそば」だけでなくラーメンも強い。山形美術館から歩いて30分ほど。天気が良く汗だく。絶対に冷やしラーメンを食べる。

栄屋本店(冷やしラーメン)

有名人のサインが所狭しと並ぶ。16時前だから空いている。昼時は行列必至。

栄屋本店(冷やしラーメン)

創業92年。元祖冷やしラーメン。もとは蕎麦屋だったがお客さんから「冷たい中華そばは作れないか」と言われ3年かけて開発。72年間変わらぬ味。東京で食べる冷やしラーメンも美味しいが、やさしさが違う。甘い出汁が麺やメンマに沁みて夏を溶かす。これぞ夏ラーメン。正真正銘の冷やし中華

平田牧場/JR山形駅(とんかつ)

平田牧場/JR山形駅

深夜バスに乗る前の最後の晩餐。JR山形駅に平田牧場はある。

平田牧場/JR山形駅

形県酒田市で育てられた金華豚ヒレカツ2,200円。日本酒が千円ほどしたので断念してコーラ。

平田牧場/JR山形駅

山形県庄内産の藻塩をつける。大切に育てられたことが歯応えと脂身でわかるストレスレスな弾力。これで充電完了。我が山形に一片の悔いなし。山形は「また行きたい」ではなく、「また帰りたい」と思う場所。

山形に来たら美術館も

東京で食べられる山形グルメの名店

新宿すしスタンド EDOMAE SS

新宿すしスタンド EDOMAE SS

今では日本人が好きな食べ物1位を独走する「鮨」。しかし江戸時代までは屋台のファストフードであり、握り寿司ではなく、箱寿司(押し寿司)だった。好きなネタNo. 1のマグロも江戸時代は下魚で嫌われていた。冷蔵庫がないから1日か2日熟成させ、漬けにして出すのが主流。寿司の進化はダーウィンも驚くほど。

新宿すしスタンド EDOMAE SS

令和6年6月28日。電子書籍を出版される方に方法をレクチャーした御礼に寿司をご馳走いただいた。新宿すしスタンド EDOMAE SSは高級江戸前鮨を「気軽」に「手頃」に補給してほしいと2022年1月に誕生。1万円前後で本格江戸前鮨を楽しめる上にカウンター7席なので予約が取れない名店となっている。

ランチ:60分制

  • レギュラー:4,000円
  • レギュラー満タン:6,000円

ディナー:60分〜120分

  • レギュラー満タン:6,000円
  • ハイオク:8,000円
  • ハイオク満タン:11,000円

ユニークなメニューに顔がほころぶ。今回はランチなのでレギュラー満タン6000円。コースが終わったら好きなものをアラカルトで頼める。特筆は4つ。

新宿すしスタンド EDOMAE SS

甘みが添い寝するエビ。プリプリなので舌で暴れず、優しく包み込んでくれる。コースにはなく追加で注文。

新宿すしスタンド EDOMAE SS

もう一度食べたい中トロ。淡く柔らかいのに印象が強い。カイユボット《パリの通り、雨》のよう。中間に出てきた寿司。これが締めでも余韻が残る。

新宿すしスタンド EDOMAE SS

締めに食べた巻き寿司。赤酢のシャリの甘さもプラスされ、「また来てね」と言ってくれるような寿司。コースにはなく追加で頼んだ。

新宿すしスタンド EDOMAE SS

新宿すしスタンド EDOMAE SSの最高傑作。人生で食べたウニで一番おいしい。舌に溶けながら踊る。なんという芳醇。神聖なる官能。外の土砂降りを一掃してくれた。傘なんてなくても歩いて帰れる。そんな気分にさせてくれた。奈良に住む姪や甥が寿司が大好物。新宿に来たときには必ず食べてもらいたい。

新宿すしスタンド EDOMAE SS情報

新宿おすすめ飲食店

新潟長岡グルメ:閃光の花火メシ

新潟の長岡といえば「花火」と「米百俵」。線香花火のようにやさしく、打上花火のように力強い飲食店がある。

茶店ミチル

腹が減っては戦はできぬ。8時になると、駅前の喫茶店『ミチル』が開店。

平日だからお客様はいない。川のように、ゆるやかな時間が流れる。

モーニング600円。力強い珈琲、サックサクの食感と香ばしい焼き具合のトースト。濃いめのバターは濃厚民族にうれしい味。毎日の卵かけご飯から久しぶりに食べると感激。

茶店ミチル情報

越乃雪本舗大和屋

越乃雪本舗大和屋

Twitterで長岡のおすすめを訊いたら越乃雪本舗大和屋を教えてもらった。1778年創業 の和菓子屋。名物は店名の越乃雪。米百俵の精神の小林虎三郎は師の佐久間象山へ越乃雪を贈り物にしていた。越後特産の餅米を独自の製法で粉砕した粉と四国の和三盆糖を押し物にしたもの。

越乃雪本舗大和屋

基本は持ち帰りだが、奥にイートインがあり、店内メニューを注文すれば食べられる。

越乃雪本舗大和屋

越乃雪干菓子セットに『雨上がり』を追加。『越乃雪』はサラサラの粉雪をお菓子にしたような、口に入れた瞬間、長岡の花火のように甘さが広がる。静謐なる雪山。

『雨上がり』は貴賓ある童心にかえる甘さ。ジュディ・ガーランドが目の前で歌ってくれるようなOver the Rainbow

越乃雪本舗大和屋

サービスで塩漬けの花のお茶を出してくれた。甘さを洗い流す雪のよう。

越乃雪本舗大和屋の情報

フレンド CoCoLo長岡店

フレンド CoCoLo長岡店

長岡に9店舗を構え、「我が町が誇るB級グルメ」と誇るのがフレンドの「イタリアン」。長岡在住のカメラマンがTwitterで教えてくれた。今回は長岡駅内にあるCoCoLoの店舗を訪ねた。

フレンド CoCoLo長岡店のイタリアン

『イタリアン』は焼きそばのミートソース乗せ。ありそうで無かった発想。放課後や部活帰りに食べたくなる味。大阪上本町にあったら通っていた。クリームソーダと合う。

フレンド CoCoLo長岡店の情報

らーめんや一生 

らーめんや一生

最後の晩餐。米百俵の長岡で米を喰ってない。長岡のラーメン=生姜醤油を喰ってない。長岡の地酒「吉乃川」を呑んでない。深夜バスに乗る前にラーメン屋さんに駆け込む。深夜2時までやってくれている。ありがたい。お店は白醤油を使った「長岡ホワイト」がおすすめ。次に来たときに食べたい。初めて味わう生姜醤油ラーメン。ジンジャーめちゃいい仕事してます。もったりした醤油にキレを生む。普通に東京でも出してほしい。日本酒もキレッキレ。次回もリピート。

らーめんや一生 の情報

カレーの食卓

2年連続で年末年始は実家に帰省した。母親がカレーを作ってくれた。

ウチは昔からバーモントカレー の中辛。にんじん、たまねぎ、鶏肉を炒め、水と一緒に市販のマギーブイヨンとカレーのルーを入れる。たっぷりの具材を煮込んだら最後にジャガイモを加える。これが松田家の食卓。

あまりカレーが好きでない母親は僕や弟が帰省したときだけ作ってくれる。東京ではネパールのダルバートひよこ豆のカレー)しか食べない僕だが、母親のカレーを見るとホッとする。

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周りを見ているとカレーに刺激を求めるひとが多い。けど、40歳を目前にしても大人への入学式を拒否している自分にとって、カレーに欲しいのはやさしさ。刺激は食べもの以外で十分に痛感している。せめて体内に入れるものはやさしいものであって欲しい。

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母親のカレーを食べると思い出すのが地元・桜井市にあったカレー屋さん「スパイシー」

元フレンチのシェフだったオーナーが独立され、ご夫婦で営んでいた。十数種類のスパイスを独自にブレンドし、田舎町に似合わない高級感のあるカレー。そこがよかった。1,000円前後の価格も奈良の片田舎では珍しく、休日のご褒美でいてくれた。

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場所は桜井商業という巨人にいた駒田徳広の母校のすぐ近く。車がないと行きにくい場所で、ご夫婦の静かな人柄といい、隠れ家というありきたりな形容が似合うお店だった。

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父はいつもカツカレー、母親はシーフードカレー。僕や弟はチキンカレーや野菜カレーなど色んな種類をサーカスする。

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当時、辛いものが苦手だった僕にとって「普通」より甘口の「マイルド味」があるのが助かった。今思えば、お店の名前と同じスパイシーなカレーも食べておけばよかった。

2012年1月に閉店。ふるさとの誇りとして自慢できた数少ないお店だった。もう10年以上が経つ。時の流れは早いのか遅いのか。

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周りは高校だったので、学生には手が出なかったのだろう。料理の腕と商売の腕は一致しない。そんな世の中だからこそ、スパイシーのようなカレー屋さんがなくなったのが寂しい。今ごろシェフご夫婦はなにをしているのだろうか。カレーでなくてもなにか料理を作っていてくれたらと願う。